
「消費者操る『ダークパターン』国内サイト6割該当」2021年3月27日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「ネット通販などのサイトで、消費者のスキを突いて余分な注文などを促す仕掛けが横行している。ダークパターンと呼ばれ欧米で規制が進むが、日本では大半が合法とされ対応が遅れている。」としています。
「ダークパターン」と言う言葉をご存知でしょうか。ネット通販などのサイトにおいて、ユーザーが意図しない選択肢に故意に誘導するインターフェースのことです。要は消費者を欺く手法のことですね。ちなみに「ダークパターン」はユーザーエクスペリエンスデザイナーのハリー・ブリヌルが2010年に作った造語とのこと。つまり10年以上前から、消費者を思わぬ方向に誘導する手法が存在し、使われていたということになります。
記事の通り、欧米では規制が進んでいるものの、日本では未だに合法で一般的な手法とされており、企業や行政の対応は遅々として進んでいません。
具体的な手法としては、メルマガ受信や通販の定期購入が初期設定となっている「誘導」や、期限のない期間限定セール・カウントダウン・もうすぐ売り切れ・すでに○人が予約したなどを表示する「あおり」、入会は容易だが退会は電話のみに限定するなど、サービスをやめることが困難な「障害」等があります。
これは皆さんも経験があるのではないでしょうか。私も上記の3つはすべて経験しています。しかも大手企業がほとんどです。日本では合法とされるため、特に気にせず使われているようですが、一消費者からすればあまり気持ちのいいものではありません。とりわけ、私はここ数年、退会に苦労することが多かったと記憶しています(今は少しマシになったような…)。
これらの手法を使って一時的に売上が伸びたとしても、長期的に見れば顧客にとっての価値を大きく毀損しており、企業にとってはマイナスにしかなりません。それでも使ってしまうのは、他社に先んじて「今」の売上獲得を優先しているからに他なりません。短期的利益を求める株主や利害関係者からの圧力もあるのでしょう。
しかし、いつまでも同様の手法を使っていると、顧客からは見放され、いずれ法的にも問題となる時期が必ずきます。ダークパターンに心当たりのある経営者の方は、すぐに適切なデザインに改修しましょう。消費者はわかっています。インターネット黎明期ならいざ知らず(それでもダメですが)、姑息な手段で自社のみの利益を得ようとするのは、必ずその意図を見透かされるのです。
顧客の利益を一番に考えれば、購入、返品、入会、退会など一連の流れの「わかりやすさ」が最優先されるはずです。ダークパターンはマーケティングではありません。筋の悪い低俗な情報商材レベルの稚拙な手法です。まっとうな経営者であれば、まず使わない方がいいでしょう。一気に信用を落としてしまいます。この手法は何だかグレーだな…と思ったらやめておいた方が無難です。
経営者の皆さん。ダークパターンなどを使って、顧客にとって重要な資源である時間、労力、お金を無駄に使わせないようにしましょう。自社の商品やサービスに自信があれば、真正面から提供できるはずです。

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