ニュースの論点No.206 儲けたお金の使い方

 

 「世界長者番付、首位は今年もベゾス コロナ禍で富豪が急増」フォーブスは46日、今年で35回目となる毎年恒例の世界長は番付を発表しました。記事によれば、「新型コロナウイルスのパンデミックが経済大国を含め各国に多大な影響を及ぼすなか、ビリオネア(保有資産10億ドル以上)の数は過去最多を更新。2755人となった。」としています。

 

 アマゾンのジェフ・ベゾス氏は保有資産1770億ドルで4年連続首位です。2位は電気自動車テスラCEOのイーロン・マスク氏で1510億ドル、3位はLVHM会長のベルナール・アルノー氏で1500億ドルとなっています。

 

 ちなみに日本人では、29位にソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(保有資産454億ドル)、31位にユニクロの柳井正会長兼社長(441億ドル)、他にもキーエンスの滝崎武光氏、日本電産の永守重信氏などがビリオネアとして名を連ねています。

 

 保有資産の額はまさに桁違いで、その規模感が全く想像できません。とにかく自分や家族親族含めて、一生では使いきれない額、というよりこの先何百年も「お金」について困ることのない資産を保有しているのは間違いありません。庶民の私たちにとって、まったく想像もできない、差がありすぎてその格差すら感じない数字ですね。

 

 資産格差についてはNGOのオックスファムが20201月のダボス会議に合わせて発表した推計で「世界の富裕層上位2100人の資産が世界の総人口の6割にあたる46億人分の資産を上回る」としています。また、国連は「日本を含む先進国やアジア、アフリカ諸国など世界の3分の2の国で所得格差が広がり不平等が進行している」と発表しています。

 

 他方、トマ・ピケティが著した「21世紀の資本」では【r>g】という不等式が示されました。rは資本収益率、gは経済成長率を表しています。同書では、18世紀まで遡ってデータを分析したところ、r(資本収益率)は年5%、g(経済成長率)は1~2%という結果が導き出されました。常にr>gとなるそうです。つまりごく簡単に言えば、持てる者はさらに裕福に、持たざる者はいつまでも裕福になれないということです。

 

 格差の問題は今に始まったものではなく、事あるごとに議論されています。近年では、皆さんご存じのSDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標として20159月の国連サミットで採択)における17の目標の中に「貧困をなくそう」や「人や国の不平等をなくそう」といった項目が挙げられ、その取り組みは日本社会にも徐々に浸透しつつあります。

 

 ただし、国連が主導したからと言ってそう簡単に解決する問題でもありません。「格差」がそもそも解決できるものかどうか、さらには解決すべきものかどうかも意見の分かれるところでしょう。極端な格差は是正しなければならないかもしれませんが、世の中から競争がなくなると、つまり頑張ったものが報われないと社会の発展も望めなくなります。

 

 格差問題に正解があるのかどうかはさておいて、私たち中小企業の経営者がまずすべきは「利益」を出すことです。創業期は赤字でも仕方がない部分もありますが、長期的に利益を出し続けることは企業にとっての責務といえます。利益が出せるのは基本的に顧客のために役立っているからです。利益が積み重なった結果、資産の格差が生じるのは当然といえば当然の成り行きです。

 

 中小企業の皆さん。まずは自社の利益を最大化することが経営者の使命です。お金が一番大事ということではなく、顧客への価値提供を最大化し、結果としての利益を最大化させる。ここが重要です。頑張った結果、儲けることは何ら恥ずべきことではありません。ただしお金の使い方には気を付けましょう。儲けたお金は浪費せず「投資」に回し、社会貢献につなげていくのが本来の姿だと私は考えています。

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