
「酒類じゃない『微アルコール』 アサヒ増産 コロナで需要」2021年6月22日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「アサヒビールはアルコール度数0.5%のビール風飲料『アサヒビアリー』の生産能力を倍増させる」「新型コロナウイルス禍で飲食店の酒類提供が制限される中、酒税法上は酒類ではないビアリーは引き合いが強い」としています。
酒税法上、アルコール度数が1%以上になると酒類となりますが、ビアリーはアルコール度数0.5%のため酒類とならず、緊急事態宣言下でも飲食店で提供できます。ビアリーは2021年3月30日に首都圏、関信越エリアで発売が開始され、全国発売は6月29日になるそうです(アサヒの回し者ではありません)。
巷ではストロング系チューハイなどアルコール度数9%を超える商品が多く出回っていますが、その逆を行く微アルコール飲料の増産体制を構築するのは、緊急事態宣言下の日本ではニーズが高く、健康志向も相まって今後も伸びる要素があると踏んだのでしょう。
ノンアルコールでは物足りないが、飲食店ではそれ以外提供されない‥という状況の中、酒税法の隙間をついた日本企業らしい戦略だと思います。かつてビール系飲料が席巻した1990年代~を彷彿とさせます。当時はビールの競争激化と消費者の低価格志向をとらえるため、大手メーカーが酒税法に着目し、発泡酒というジャンルが生まれ、その後さらに税率の低い第三のビール(新ジャンル)が生まれました。ちなみに税率は主に麦芽使用料等の違いによります。
ただし、税制改正により2020年10月からビールの税率は下がり、新ジャンルの税率は上がります。2026年10月には、ビール、発泡酒、新ジャンルは同一の税率になるのです。この先、国内ビール系飲料のガラパゴス競争が水泡に帰してしまうかもしれません。
さて、話を戻しますが、今回取り上げた微アルコール系。構造としては先述したようにルールの隙間をついた戦略そのものに見えます。とすると、ルールが変更されれば市場は消滅してしまう脆弱性を持っています。とはいえ、アサヒは当然わかってやっているはずですから、何らかの勝算があるのだと考えられます。
若者のビール離れ、あるいはもっと進んでアルコール離れが止まらない中、隙間の選択肢を狙った商品なのか。あるいは記事にもある健康志向を狙ったのか。それとも緊急事態宣言下で一気に飲食店マーケットを広げ、飲めないけど少しは…という層を狙っているのか。
私もまだ飲んだことがないので何とも言えませんが、ノンアルとビール等の隙間にさまざまな「微アルコールを飲みたい理由」はありそうです。ここに浸透すれば一気にスーパードライに次ぐ看板商品として名を残せるかもしれません。とりあえず発売されたらすぐ飲んでみます。

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