
「都内飲食店の5割超、時短応じず 協力金遅れで離反」2021年7月25日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「日本経済新聞が新宿などの個人飲食店500店を調べたところ5割の店舗が時短営業していなかった。時短協力金の支給の遅れなどが店主らの離反を招き、緊急事態宣言の実効性が薄れている」としています。
都は4度目となる7月12日の緊急事態宣言以降、酒類提供を再び禁止していました。これまでも「一組二人まで」や「午後7時まで」など酒類が出せても厳しい条件が課されており、酒類提供を主とする業態の飲食店は相当なダメージが蓄積されていました。
しかも、時短や酒類提供禁止の要請に従ったとしても協力金の支給が遅れ、経営状況はますます悪化の一途をたどる状況です。さすがにバカバカしくなって「自分の身は自分で守る」ような行動に出るのも仕方がないのではないでしょうか。
基本的にルールは守るべきものです。しかし、ルールを守ることで自社にとって存続の危機になるような場合はまた話が違うと私は思います。要請を真面目に受け入れた結果、廃業になったとしても誰も責任を取ってくれないのです。
明らかな違法行為であったり、誰かを傷つけるようなことは論外ですが、コロナの感染拡大防止に明確なエビデンスのないルール「店舗の営業時短や酒類の提供禁止など」で要請に従わない店舗が100%悪いと責め立てることは難しいと思います。
27日には東京都で新たに2848人がコロナに感染したと報道がありました。全国的にも増加している状況とのことです。ただし、ワクチンの効果があったのか死亡者数は減少傾向で全国規模でも10名前後の日が続いており、重症者数も微増傾向です(今後変化することもあります)。
データには様々な見方があり、それをどう生かすかも人や立場によります。翻って今の日本はどうでしょうか。多様な価値観がある中で、あまりにもゼロリスク志向で責任回避の動きが強すぎるような気がします。陽性者が増えたらそれまでの効果検証もろくに行わず短絡的に緊急事態宣言。対策を取っている店もいない店も一緒くたで自治体や自粛警察が取り締まり。
コロナ禍はリトマス試験紙だと言われます。どんな立場であっても、「危機の時どう考えどう動くのか」を試されます。今回要請を受け入れず営業している店舗の方々も、5年後、10年後に「あの時の考えや行動は間違っていなかった」と胸を張って言えるような、そんな確固たる価値基準を持って意思決定をしていただきたいと思います。

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