ニュースの論点No.224 それでも変わらない?

 「20年度専門店調査 増収は8業種どまり」2021811日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「新型コロナウイルスが感染拡大した2020年度は業種間で明暗が分かれた。20年度調査では24業種のうち増収は8業種だった」としています。

 

 増収だった8業種(カッコ内は企業の一例で営業利益の19年比)は「家具(ニトリ28.1%増)」、「ホームセンター・カー用品(カインズ34.8%増)」、「100円ショップ(セリア20.8%増)」、「家電製品(ヤマダ140.2%増)」、「生鮮」、「ドラッグストア(ウェルシア薬局13.3%増)」、「リサイクルショップ」、「総合ディスカウントストア」となっています。

 

 この数値から読み取れるのは、まさにコロナ禍における巣ごもり需要そのものが伸びている事実です。仕事、プライベート問わず自宅で過ごす時間が相当増えたことで、自宅時間をより快適に過ごせるグッズや食料品などの需要が大幅に伸びているというわけです。

 

 その代わり衣料品は総じて振るわず、紳士服や婦人服問わず2030%落としている企業も目立ちます。外に出ない、人に合わないのに、わざわざ格好に気を使わなくても‥という人たちがかなりの数に上っているのでしょう。

 

 ちなみに私はアパレル小売店も経営していますが、今回の記事は実感としても合っていると思います。現在、百貨店や駅ビル等にお店があるのですが、体感としてもお客様の数は減っており、数字にも如実に表れています。

 

 周辺の状況としては、店舗の撤退やブランドの再編など、多少落ち着いては来たものの、この先も同じ状況が続けば「体力的に持たない」企業がさらに増え、全国各地に催事スペースが増えることになるでしょう。

 

 もともとアパレル業界は百貨店などのチャネルも含め、成熟期から衰退期に移行しているような状態でした。時代と合わない仕組みで20年以上ダラダラとやっていましたので、例えコロナがなかったとしても、いずれかのタイミングで大きな再編の波が変われない企業を淘汰していたと思います。

 

 アパレルメーカーの発想は相変わらずで、売れるものの模倣品ばかりがあふれ、特に新しいものは生み出せていません。デベロッパーもしかりで、全国に似たようなSCが乱立し、似たような商品を置いた、似たようなブランドが同じ風景をつくっています。

 

 現場の販売スタッフも「ただ何年もそこにいる」だけの人が大半です。私は会社のスタッフたちに「販売だけではこの先絶対に立ち行かなくなる」と強く伝え続け、さまざまな資格や検定、研修など自立支援を勧めてきましたが、残念ながら人は簡単には変わらないことが再確認されました。

 

 で、結局何が言いたいのかというと、コロナ禍のような危機が実際に襲ってきても、変わらない人は変わらず、しかもその数は意外に多いということです。逆に見れば、変われる人には大きなチャンスがあるとも言えます。

 

 「私はこれしかやれない」というのは最も恥ずべき言い訳だと私は思います。八方塞がりの時こそ、新たなチャレンジができる余裕を持ちたいものです。

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