
「百貨店で『おせちバブル』再来 10万円以上も完売続出」2021年10月17日、産経新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で好調だった昨年以上の勢いで予約が入り、受注ベースで前年同期比140%以上の売り上げを記録する百貨店も」としています。
また、「有名料亭などが手掛ける5万円以上の高価格帯商品が売れているのが今年の特徴だ」とのこと。京都吉兆の25万9200円!の三段重を始め、5万円以上の商品に売り切れが目立っていると伝えています。
各百貨店では、高価格帯おせちのほか、「阪神タイガースおせち」や「知育かるたおせち」、「スイーツおせち」やSDGsを絡めた「サステナブルおせち」など趣向を凝らしたおせちを揃えています。何だか語尾におせちをつけているだけのような気もしますが‥。
おせち料理の市場規模は諸説ありますが、2020年は600億円程度で400万セットが販売されたと見られています。2000年の300億円からすると、この20年で市場規模は倍増していることになります。
かく言う我が家でも毎年おせちを頼んでいます。一度頼むと相当な量のプロモーション攻撃があり、毎年その種類の多さ、選ぶ手間に辟易とします(ま、選ぶのは私ではありませんが)。身も蓋もない言い方をすれば、「どれも一緒」で悩む必要もないわけですが、そこは年に一度のイベントです。せっかくなら納得のいくものを…となり、時間が無為に過ぎていくことになります。
さて、話は変わりますが、おせち料理の原価(食材費)をご存じでしょうか。あれだけ高価だし、高そうな食材も使っているので結構高いのでは…と感じますよね。当然、モノによりけりなのですが、一般的には3割程度と言われています。飲食店の原価率と同じくらいですね。
ただし、高価になればなるほど原価率は下がります。さきほどの25万のおせちに7~8万の食材費はおそらくかかっていないでしょう。何でもそうですが、高価格にすればするほど「儲かりやすい」のです。売れるだけの付加価値が付けられればの話ですが…。
また、おせちに関しては、一般的な飲食店と原価率は同程度でも、受注販売でロスが少ないこと、高価格にしやすいこと、顧客リストが確実に集まることなどの特徴があります。とはいえ、すでに競合他社が多数存在し、これから参入するには難しい状況ではあります。
確実に売れる販売先、食材調達、製造能力、受け渡しや配送の手配などのノウハウがあれば参入する余地はあるかもしれません。もしなければ、安易な参入は大やけどする可能性があります。
おせちに限らず、新規参入する場合は、まず自社のミッションやビジョンに照らし合わせ、「なぜやるのか」という目的が定まっている必要があります。特にバブルな状況を目の前にすると、判断基準は揺れ動きます。その時々の強い意志も重要ですが、ぜひ根幹となるあり方を定めておきましょう。ムダに悩む時間が確実に減らせます。

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