ニュースの論点No.238 最近の店に足りないもの

 「10月の飲食店バイト時給、過去最高 営業再開で求人急増」20211115日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「リクルートが15日発表した10月の飲食店アルバイト・パート時給(三大都市圏)は前年同月比2.4%増の1050円となった。」としています。

 

 また、飲食以外でも「製造・物流・清掃系」職の平均時給も1104円で1.8%増えています。いわゆる現場系の仕事は軒並み過去最高を更新しているようです。飲食店系の求人に関しては、8月第1週に比べ、10月最終週は76%増えた求人サイトの声も紹介してあります。

 

 コロナの影響が一旦収まっている今、社会の動きが戻りつつある一端が現れている記事だと思います。ちなみに私もご多分に漏れず、会食の機会が増えつつあります。週末訪れた繁華街の飲食店は、明らかに人の数が増していることを実感しました。

 

 翻って、今回の記事に出ている職種に関しては、ご存じのとおり、コロナ前から人手不足が顕在化していました。コロナ禍中では話題に上らなくなっていましたが(むしろ働く場がなくなった話題に)、収束状態を見せる今、その反動とも言うべき状況が現れています。

 

 今後はコロナの動き次第でもあるのですが、基本的に慢性的な人手不足が続いていくことが予想されます。

 

 さて、ここからは最近の店舗ビジネスを見ていての個人的な見解です。結論から言えば、「サービス力」が低下しているような印象を受けています。ここで言うサービス力は、「顧客が求めていることを察知し、先んじて支援する力」のことです。

 

コロナ禍で思うようなサービスができない、あるいはお客様の方も求めていないなど、コロナ禍の影響は大きいとは思いつつ、それを差し引いたとしても、何だか実店舗のサービスで満足できない場面が増えたような気がしています。

 

 あっさり言えば、「そこに人がいる意味がない」状態です。特にコロナ禍により非対面方式が増えたことで、事務的、機械的なやり取りが増え、これだったらネットで完結させた方が…という場面も多々あります。また、それに慣れたスタッフも決められた事務的な動きのみ。人がいることのメリット、強みが生かされていません。

 

 「店舗に人がいることの強み」とは先述の「サービス力」そのものです。無論、無人で事足りる、それが求められている店舗はそれでいいと思います。日常の食材や生活用品、また低単価なセルフサービス店舗等に関しては、人による「サービス力」など必要ないかもしれません。

 

 しかしながら、中小零細企業が生業としている店舗ビジネスでは、無味乾燥なサービスで繁盛することはありません。顧客との接点が最重要になってきます。如何に店舗の、スタッフのファンになってもらい、リピートしてもらうか。ここにその命運がかかっていると私は思っています。

 

 当然コロナ禍の影響を無視はできません。感染防止対策も必要です。しかし、感染症のまん延が数年で終わることは歴史が証明しています。そもそも何でもかんでもリモートで代替できるわけがなく、今後は技術を取り入れながらも、仕事、プライベート共に人と人が直接対面する機会はもとの状態に戻っていくでしょう。

 

 店舗ビジネスを経営されている皆さん。今のうちにサービス力を磨きなおしてください。店舗ビジネスで成功するキモはそこです。サービス力の根幹は、お客様のことをお客様自身より知ることに他なりません。本物のサービス力の付加価値は希少で、お客様の誰もが欲しがります。その結果、不毛な安売り競争からあなたの店を守ってくれるのです。

 

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