
「料理宅配、ネット通販の商品配送 出前館は15分で」2021年11月22日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「料理宅配業者がインターネット通販の配送に乗り出す。出前館は2022年から化粧品や衣類などで始める。料理宅配国内最大手のウーバーイーツジャパンもネットスーパーなどの配送代行を検討する。」としています。
他にも、ウォルトはコストコの商品を配送し、フードパンダは食品や日用品の拠点を100ヵ所つくったりと、各社は料理の宅配だけではなく、自社のギグワーカーを使った配送網を生かした新たなサービスを展開しています。
ラストワンマイルという言葉があります。物流において、最終拠点から消費者までの区間を意味します。大量の荷物を運ぶ基幹物流に比べ、ラストワンマイルは細かくルートも定まらないため、距離の割には手間や時間がかかるのがボトルネックとなっています。
そこで、ネット通販隆盛の今、大手の宅配業者だけではカバーできない、あるいはサービスが十分でない「ラストワンマイル」のサービス事業に各社が参入を始めたという流れです。また、その背景として料理宅配業界の成長鈍化、競合他社の増加があり、各社のサービスの拡大を後押ししています。
話は遡りますが、2017年、今回のニュースに似たような事例がありました。新聞配達店と出前館との提携です。出前館に入った注文を、新聞配達店が代行して届けるサービスでした。鳴り物入りで始められたサービスでしたが、実際にはうまく機能せず、残念ながら2019年に業務提携を打ち切っています。
うまくいかなかった理由としては、出前のニーズが多い地区が限られていること、加えて、そもそも定時で決まったルートが主な新聞配達店にとって、既存の経営資源をそのまま活用することができず、ランダムな注文に対応する人手を用意する余裕もなかったことなどが挙げられます。
翻って、今回の提携では、消費者の注文に応じて配達するという流れは一致しているため、サービスの齟齬は起きづらいと思われます。「ついでに配達する」という相乗効果が得られやすいイメージです。
とはいえ、新聞配達店と出前館の提携のように、何かしらの問題が起きる可能性もあります。しかし、世の中「やってみないとわからないこと」が大半です。失敗することを恐れていては何もできません。
やってみてうまくいかなければ、また違う方法を試せばいいだけです。「現状維持は衰退の始まり」の言葉通り、現状で満足し、新たな取り組みを否定することは企業にとって衰退と同義です。
結局、あなたがやらなければ、いずれ誰かが始めます。手遅れにならないよう、常にアンテナを張っておきましょう。さらに自分だけではなく、信頼できるパートナーのような、第3者の視点を活用できる環境があればベストです。

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