
「お金を払って褒めてもらう『ほめるBar』、来店客の悩みをお坊さんが解決する『お坊さん喫茶』」2021年12月20日、日経MJが掲載した記事です。ルクア大阪がちょっと変わった限定ショップを出店させています。
ルクア大阪は2020年8月、社内に「トキメキ事業部」を発足させ、「妄想ショップ」として実験的なサービスを提供する店舗を18店舗(期間限定で入れ替え)出店させています。例えば、「美容師が髪を切らずに似合う髪型のみを提案する店」や、「自店の商品を販売せず、お客の手持ちの洋服からコーディネートを提案する店」などが展開されました。
なかなか面白い取り組みだと思います。ありきたりのモノやサービスを売るのではなく、ユニークな着眼点でちょっと面白いサービスを提供する。他にはないサービスで話題性も高く、当然集客にもつながり、上手くいけば催事から正式な店舗への昇格も可能です。
また、展開するサービス内容は思いつきではなく、事業部がインスタを使って集めた声を活用しているとのこと。つまり、ユニークではあるものの、世間のニーズに即したサービスが展開されているのです。ノウハウがたまれば、それを踏まえた新たなアイデアやアイデア同士の組み合わせが可能となり、商業施設自体の新陳代謝もより活発になるでしょう。
さて、私はアパレル小売店を経営していますが、ただ単純にモノやサービスを売る商売は今後厳しくなると考えています。今はまだ「実店舗で販売員から購入する」ような既存の仕組みに慣れ切ったお客様が多く、急になくなることはないのかもしれません。
しかし、「ネットでの買い物」や「リモートでのサービスが当たり前」の世代が中心になってくれば、手間のかかる旧態依然とした実店舗での買い物、サービスは廃れていくのが必定です。
実店舗の販売員やサービス提供者は、「本物のプロ」でないと残れなくなる未来がすぐそこまで来ています。適当なアドバイスで商品を勧め、包装し、レジを打つ。機械的に洗髪し、髪を切る。ただ注文を聞いて、料理を提供する。このように単にモノやサービスを右から左に流すだけで儲かる時代は終わりつつあるのです。
「本物のプロ」とは、換言すれば「余人をもって代えがたい存在」ということです。その人にしかできないサービスが「付加価値」として圧倒的な独自性を発揮します。
モノのクオリティ差がなくなりつつある今、お客様はどこで買っても同じです。その中で、自社の商品を買う理由は何でしょうか。特に実店舗において、わざわざ足を運ぶ価値のある店とは何でしょうか。
結局のところ、人は人に引かれていきます。モノ不足時代ならいざ知らず、いいものが安くネットで買える現代では、実店舗に出向くのであれば「あの人から買いたい」「あの人からサービスを受けたい」となるのが当然の成り行きです。
経営者の皆さん。あなた自身、あるいは社員の皆さんは「余人を持って代えがたい存在」でしょうか。お客様からそう思われているでしょうか。ぜひ振り返ってみてください。

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