ニュースの論点No.246 理不尽なルールへの対処法

 「沖縄の飲食店 認証返上の声 時短協力金 非認証より安く『不満』」2021110日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「沖縄県の時短要請に応じた飲食店への協力金をめぐり、新型コロナウイルスの感染対策を徹底している認証店から不満が出ている」としています。

 

 というのも、認証店は酒類提供が認められているものの、協力金は1日当たり最低25000円で非認証より5000円安くなっているからです(限度額で見れば、75000円と100000円で25000の差)。不満の声に対し、沖縄県は認証辞退を認め、14日までに辞退した店には、非認証店として協力金を支払うという異例の決定を下しています。

 

 ちなみに認証店への時短要請は21時までで酒類提供OK。非認証店の場合は20時までで酒類提供NG。確かに認証店は営業時間の長さや酒類提供ができる利点はありますが、まん防が出されれば来店客自体が大幅に減少します。結局休業に踏み切る場合も多く、認証店が相当な不満を感じることは想像に難くありません。

 

 要は制度設計の甘さ(穴)があったことで、しっかりと感染対策を講じた店舗より、認められていない店舗の方に多く協力金が支給されてしまう「歪み」が生じてしまっているのです。結局、沖縄県では認証店を増やす努力をしてきた中、皮肉にも認証辞退を増やしてしまう本末転倒の事態を招いた形となりました。

 

 

 ところで、沖縄と同様にまん防が出された広島、山口両県は認証店か非認証店かに関わらず、20時までの時短と酒類提供停止することで310万の協力金を支給するとのこと。いずれにしても、認証店であることのメリットは感じられず、「正直者が馬鹿を見る」状況が生み出されてしまっています。

 

 

 他方、基準を定めた政府は10日、20時までの時短営業なら非認証店と同水準まで増額できるようにして不公平感を解消するとして、各自治体に対し、交付金の運用を見直す方針を固めています。

 

 しかしながら、認証店と非認証店を同水準にすることは何の解決にもならないと私は思います。今回の件も、机上で仕組みをつくる底の浅さ、わきの甘さが如実に表れていると感じました。しかも、基本的に行政側は自らのミスを認めません。既存のルールが明らかに害を及ぼしていても、「ルールはルール」と木で鼻を括る態度で取りつく島もありません。

 

 さて、経営者としてはどう対応すべきでしょうか。私の答えは「自分の身は自分で守る」です。今回の件で言えば、ルールに潰されないように、自らリスクを取ってルールを解釈し、場合によってはグレーな判断も辞さない覚悟で臨むべきだと思います。判断が難しい時の基準は、「誰にでも胸を張って言えるか」です。

 

 コロナ禍のような天災、人災が組み合わさった非常事態では、身を守れるのは自分だけです。最後は自分自身の覚悟が問われます。経営者は、窮境をルールや外部環境のせいにしないような、確固たる自分自身のあり方を持って臨むべき時です。

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