
「現代アート市場が活況 ウクライナ情勢も影響」2022年5月6日、産経新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「従来の概念にとらわれない新しい芸術表現を作品にした『現代アート』の市場が国内で活発化している」としています。
その背景として、「世界的な金融緩和によるカネ余りや、ウクライナ情勢の緊迫化で実物資産が好まれるようになっていること」が挙げられています。30~40代の富裕層が主な購入客層で、百貨店も販売を強化しています。
実際、日本百貨店協会によれば、百貨店における美術・宝飾品の販売額は14カ月連続で増加しており、22年3月は344億円と前年比11%増となっているとのこと。また、アートだけに絞った日本全体の市場規模も2021年が394億円と前年比5%増になっています。
投資対象として購入する客もいる一方、心や生活に潤いをもたらすものとして購入されているケースも多いようです。百貨店の担当者によれば、投資・運用目的が購入動機になっているのは2%程と低い数字になっています。
私もたまに現代アート展や百貨店のアート売り場に足を延ばしますが、販売員の方等から、結構売れているような話を耳にします。ちなみに先日百貨店に行ったときは、百貨店のスタッフではなく、アート販売会社のスタッフから接客を受けました。
そのスタッフは当然現代アートに詳しく、非常に面白い話も聞けた反面、一方的に話が続いたこともあって少々胸やけ状態となりました。その話ではどうやら日本を含め、世界各国でさまざまなアーティストが発掘されているようです。売り場にはいろいろなテイストの作品が並んでおり、とっつきやすい作風も多く、見るだけでも楽しめました。
ところで、素人の私が気になるのは、量産も可能な工業製品に近い現代アート作品に対し、価値をどう解釈し、どのように価格に反映させているのか、という点です。従来の絵画などの美術品にもいえることだと思いますが、それ以上に現代アートは価値や価格がよくわからないイメージです。
オークションで価格が吊り上がるプロセスはわかりやすいのですが、普通に販売されている現代アート作品は意図的に数を抑えて価値を上げ、価格もどういう根拠なのか、数万から数十万で販売されています。その価格にお金を出す人がいるから成り立つ商売で、実際に売れれば価格分の価値が担保されます。
単なる落書きでも、高いお金を出す人がいれば価値が上がります。この点、価格が高いから価値があるのか、価値があるから価格が高いのか、最後はニワトリ卵な話になってしまい、狐につままれたような感じでいつもモヤモヤとなります。
まあ、自分が気に入り、価格にも納得できれば普通に買っていいと思いますが、私の場合は、ちょっと高すぎるんじゃないかな…と感じることが大半です(私にセンスがないだけかもしれません)。
さて、「価格が高い」のは価値そのものの側面もありますが、「高く売れるから」という側面もあります。要は資産価値があるからですが、この点、メルカリなど個人間売買の環境が整った現在、特に若年層には当たり前の価値観になっています。
このような、その後の流通を考えた消費行動が広がった点も、現代アート市場が拡大する一つの要因かもしれません。いずれにしても「高く売れるから」だけでは少し寂しい気もします。自分自身の価値基準(センス)で、好きなモノやサービスを利用し、生活を豊かにしていきたいものです。

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