ニュースの論点No.286 それってサブスク?

 「『大阪王将のサブスク』登場 チャーハンや餃子などの中華セットを月4500円から」20221017日、ITmediaビジネスONLINEはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「サブスクリプション形式のオンライン・ショッピングモールsubscを運営する現代経営技術研究所は、モール内に大阪王将公式通販をオープンした」としています。

 

 月によって、餃子がメイン、チャーハンがメインなどで分けられるそうです。基本的にストアが選んだアイテムで、「何が届くかわからないワクワク感」が価値の一つとして提供されるとのこと。

 

 …まあ、身も蓋もない言い方をすれば、このサービスは単なる「定期購入」になると私は思います。個人的には、サブスクリプション(サブスク)の定義は「定額を支払い、契約期間中は商品・サービスを自由に利用できる権利」と思っています。

 

この点、大阪王将のサービスをサブスクというのはちょっと無理があるような気がします。要は、期間中自由に商品やサービスが利用できなければ、本来のサブスクとは呼べないということです(あくまで個人的にですが)。

 

 最近は定期、月額サービス何でもサブスクリプションと呼ぶようになりました。subscサイトには大阪王将と同様のサービスが並んでいますが、どれもやはりこれまで定期購入と呼ばれていたサービスにしか見えません。

 

 明確に定義づけされているわけでもなく、景品表示法などで規制されていることもないので自由にネーミングして構わないとは思います。ただ、雨後の筍のように出てきたサブスクっぽいサービスは、定期定額にする必要もないものを無理やり「サブスク」と呼んで、しかも客側が自由に選べない仕様にし、本来の価値を棄損しているような気がします。

 

 そもそも、定額を払って定期的に「何が送ってくるかわからない」のはワクワク感の反面、不満足にもつながりやすくなります。サブスク向きの商品・サービスとそうでないものは明確に分けた方が長い目で見れば価値を守ることにもなりそうです。

 

 私は何回もお伝えしていますが、飲食物と本来のサブスク(単なる定期購入ではない)の相性はあまりよくないと思っています。提供する量に限界があり、飲食する側にも摂取量の限界があるからです。一方、物理的に耐久性のあるものや、大量生産できるもの、あるいはデジタルデータのように無限に供給できるものはサブスク向きだと考えています。

 

 何事も好奇心を持ってチャレンジすることは大事ですが、流行っているからと言って安易な参入をすると手痛いしっぺ返しを食らうかもしれません。いつの時代も本質を見抜いた戦略で臨みたいものです。

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