
NHK NEWS WEBは2018年4月14日、「『求む!コンビニオーナー』なり手不足で学生に説明会」と題した記事を掲載しました。記事によれば、「人手不足の影響でコンビニの店舗を運営する人材が足りなくなってきていることから、ローソンはオーナーを目指す学生を対象にした採用説明会を開きました。」「5人の学生が参加し、契約社員として給料をもらいながら経営のノウハウを学んだあと、1年以内にオーナーとして独立するという新たな制度を真剣に聞いていました。」とのこと。
従来のコンビニフランチャイジーと言えば、個人的な見解では、老舗の酒屋や商店の商売替えだったり、土地や建物を持つ50~60代の夫婦、そして脱サラした元サラリーマンなどがイメージとして浮かびます。しかし今はコンビニの数も大幅に増え、国内の店舗数は5万5千となっています。この20年で倍近く伸びているのです。こうなってくると昔のイメージのようなフランチャイジーだけでは全く立ち行かないでしょう。
コンビニフランチャイジーとしての契約条件もこの状況下で緩和されつつあり、各社とも初期投資を抑え、また様々な方策を組み合わせながら、以前よりは比較的容易に開業できるようになっています。それでも人手が足りないため、本記事のようにいわゆる青田買いのような動きがでてくるのは当然の成り行きと言えます。
ただ少し気になったのは記事中で「若いかたは50年は店舗を運営でき、多くの店舗を経営してもらうチャンスが多いと思うので期待しています」と採用担当者の話が紹介されています。これはさすがに看過できない発言です。本意は推し量れませんが、自社の都合でしか人を見ていないからこそ、こんなことが言えるのでしょう。
はたして50年もの間、コンビニ経営だけをやらせるのでしょうか。フランチャイザー側の傲慢さが透けて見えるようです。何にしても、コンビニの出店余地に人手が追い付いていないのは疑いようのない事実ですね。
50年後の未来はさすがに誰もわからないし、予測しても無意味だと思います。まあコンビニに関していえば、無人になっている可能性は高いでしょう。その意味では人手を気にすることなく、楽に経営できるかもしれません(ただそうなると、すべて直営でやったほうが儲かりそうですが…)。
ともあれ、商売はウィンウィンの関係でなければ永続しません。フランチャイズシステムはよくできた仕組みである半面、やはりフランチャイザーの力が強い分、フランチャイジーに対しての負担が大きくなりがちです。これはどの業種でもいえることです。
その力関係を使い自身にとって過度に有利な条件でビジネスをつくってしまうと、最終的に割を食うのは自分自身です。店舗経営者の皆さんも、言うまでもないことではありますが、十分に気を付けて仕組みを作っていただきたいと思います。上手くいって得意になっているときが一番危ない時期となります。自分では気づかないうちに傲慢になり、全ては自分の力のおかげだと思って勘違いをしてしまうのです。
自身の利益を考えることが間違いではありませんし、ビジネスですからある程度儲からなければ、継続することも、やる意味もないといっていいでしょう。そのバランスを取るのはなかなか難しいのですが、搾取することなく、ともに儲かる仕組みをつくれば、一緒にやりたいと思う人や会社は必ず増えます。
世の中にはコンビニに限らず、飲食サービス、小売など様々なフランチャイズシステムが存在しています。その中で生き残ることができるのはごく一部です。当たり前ですがフランチャイザーとフランチャイジー、すなわち本部と独立者はお互いにいなければ成り立たない仕組みです。
ですから本部は独立者から搾取することなく、独立者は本部に対しおんぶにだっこを期待するのではなく、お互いが自立し、自律した経営を行う努力をすれば、お客様から選ばれ、生き残ることは必ずできます。
コンビニ業界も今までは上手くいきましたが、ここにきて本部側の強権政治的なやり方が表立ってきています(売り込み商品の発注量をコントロールするなど)。このままいくとコンビニという仕組み自体も破綻していくことも考えられます。現時点でコンビニは成功と言っても良い仕組みですが、上手くいきすぎるとどこかでバランスが崩れていき、せっかく積み重ねてきたものを自ら破壊してしまうことになります。
店舗経営者の皆さんも、この事例を他山の石とし、自身が経営する店舗の運営、展開の仕組みをしっかりと考え、バランスを崩すことが無いように、自身での客観視、またできる限り第3者からのチェック機能を経営に取り込んでいくことが望ましいといえます。

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