
日本経済新聞は2018年4月26日、「求人広告件数 3月16.4%増」と題した記事を掲載しました。記事によれば、「求人情報会社でつくる全国求人情報協会は25日、3月の求人広告掲載件数が前年同月比16.4%増の150万2458件だったと発表した。」「インターネットの求人サイトが34.3%増の105万95件と大きく伸びた。」「人手不足に伴う企業の旺盛な求人意欲を映している。」とのことです。
ここでハローワークのデータを確認してみます。こちらは平成28年平均の有効求人数で、256万9726人となっています。対する有効求職者数は184万4891人とここでも売り手市場が見て取れます。
先述の求人広告は件数のため、一つの広告で複数名の求人をしていることを考えれば、求人数でいうとハローワークよりも多いのではないでしょうか。求人広告とハローワークの求人数を参考にすると、日本全国で少なくとも300万人以上の人手が常に必要とされています。
一方で完全失業者は173万人(平成30年3月)というデータとなっており、300万人以上の求人を満たすにはいささか物足りない数字です。仮に失業者全員が職についても満たされない求人数は100万人以上あるということです。大都市の人口に匹敵する数の人手が不足しているのです。
経営者の皆さんからすれば、こんなことは言わずもがなのことだと思います。求人広告を出しても電話すら鳴らず、ようやく面接希望者から連絡があったと思ったらドタキャン、あるいは連絡もなく面接に来ない。このような状況が日常茶飯事ですから、マクロの数字をどうのこうのといったところで、何の解決策にもならないですよね。
現在、求職者は選ばなければほぼ必ず何らかの仕事ができる状況だと言えます。この状況の中で、思い通りに人財を採用するのは至難の業です。特に店舗ビジネスでは、どんな業種でも人財の獲得に苦戦しています。少なくとも3~5店舗で一人を取り合っているような状態です。残念ながら一発逆転できるような策はありません。
店舗ビジネスに限りませんが、企業活動は「人」がすべてだと言っても過言ではありません。その「人」が全く足りていない状況ですから、まず経営者がすべきは今いるスタッフを大事にし、できる限り退職者を出さないようにすることです。
とはいえ、やめさせないように短絡的な策を弄しても逆効果です。 やめるなら次のスタッフを紹介してから… 実は昇給を考えていた… 実は待遇を改善しようと思っていた… 今やめたら損だぞ… スタッフは見抜いています。思い付きで行き当たりばったりなことを言ってしまうと、自社の対外的な評価は確実に落ちます。
常にスタッフのことを考えた育成の仕組みや待遇を試行錯誤し、スタッフから「ずっとここで働きたい」と思われるようにすることで会社への不満による退職者は減少していきます。つまり地道に改善を繰り返していくことが一番の対策となるのです(一番難しいのですが)。
他方、人財の獲得において、繁盛している店舗の多くがやっていることは既存のお客様をスタッフとして採用することです。自店のファンともいえるお客様がスタッフとして働くと、その成果は目を見張るものがあります。
自身が好きなものをお客様に対して提供するわけですから、その伝える力は半端ではありません。仕事もすぐに覚え、そのレベルも非常に高いものになります。自分がされてうれしかったサービスが基準となり、お客様の気持ちがすぐに理解できるのも大きな強みとなります。
上記以外にもお客様をスタッフにするメリットは多岐にわたり、デメリットはほとんどないと言っていいでしょう。店舗経営者の皆さんは、是非この視点を持ち、常にアンテナを張り巡らして店舗を見て回るようにしてください。将来のスタッフは案外、身近にいるのです。

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