
「明治神宮、初詣客で混雑 新型コロナの収束や新年の発展を願う」2023年1月2日、毎日新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「明治神宮には例年300万人以上が初詣に訪れていたが、コロナ禍で減少。一方、この日はにぎわいが戻り、境内で警察官が『本日は混雑しています。いましばらくお待ちください。』などと参拝客を誘導した」としています。
記事にあるように、昨年、一昨年はコロナ禍で全国的に初詣客は減少していましたが、行動制限のない今年はどの神社にも参拝客が押し寄せています。
さて、全国の参拝者数はどのくらいの数になるか皆さんご存じでしょうか。2009年までは警察庁が調査しており、当時の参拝者数は「のべ9939万人」に上ると発表されています。複数社参拝する人がいるとはいえ、1億人近くの人が初詣に出かけているのは驚きです。
ここからは全国の初詣先寺社の参拝者数をランキング形式で見ていきましょう。あくまで推計値となりますが、1位は明治神宮(東京都)で例年の人出は約320万人、2位は成田山新勝寺(千葉県)で例年の人出は約310万人、3位は川崎大師平間寺(神奈川県)で例年の人出は308万人となっています。
ちょっと下世話な話になりますが、お賽銭の相場も確認してみましょう。アンケート(2022年、プラネット、日用品流通の情報基盤運営)によれば、「お賽銭をいくら納めるか」は多い順に「51~100円」が29.1%、「101~500円」が18.5%、「5円以下」が15.9%とのこと。「1001円以上」は2.3%、「納めない」人も1.6%いるそうです。
約1億人の参拝客、そしてお賽銭の平均がざっくり100円とすれば、初詣のお賽銭だけで100億円が動いている計算になります。各寺社ではお賽銭以外にも、お守り、お札、おみくじ、御朱印…とさまざまなお正月グッズが相当数売れているでしょう。むしろお賽銭よりそちらの方が額は大きいかもしれません。
神社仏閣は「神聖な祈りの場」である一方、現代社会では当然経済の中に組み込まれており、「経営」の視点も必要になっています。初詣の記事だけ見れば景気がよさそうなイメージですが実態はどうでしょうか。神社に絞って見ていきましょう。
2015年に神社本庁が約6000の全国の神社に行ったアンケートによれば、年間収入1億円以上の神社は2%、300万未満は6割だったとのこと。また神職のなり手も少なく、一人の神職が100の神社を受け持つこともあるそうです(参考:2018年1月13日NHK News Up)。
日本全国には約8万社の神社があるとされ、主な収入源はお賽銭、祈祷料、寄付などです。人口減少により氏子は減り、参拝者も地方に行けば行くほど少なくなっています。先述のように後継者もいないため、日本の多くの神社が存続の危機にさらされています。
そんな中、生き残りをかけてさまざまな「策」を考え実践する神社も増えています。オリジナルのお守りや合コン企画、ご神木のプロデュースなど、斬新なアイデアで何とか人を集める努力がなされています。
こうやって見ると、何だかどの業界も似ているような気がしませんか。まさに企業経営者として卓越した仕事をしなければ、神社すらも生き残れない世の中なのです。この点、制約の多い神社経営と比べ、我々の商売は挑戦できる範囲も広く自由度が大きい。
経営者の皆さん。今年はどんなチャレンジをしますか。どんな業界にいても、立ち止まった瞬間から衰退が始まります。ぜひ一歩ずつでも前に進んでいきましょう。

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