ニュースの論点No.622 人である価値

 「串カツ田中HD、食材不適切管理&ハラスメントの事実認め謝罪」2023228日、J-CASTニュースはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「串カツ田中をめぐっては、ハラスメントや不適切な食材の管理があったとするツイッター投稿が226日頃から話題になった」としています。

 

 退職した社員によれば、同社の一店舗において社内ルールに即した行動がなされていなかったそうで、例えば「手袋を付けない」「衛生チェックは朝の時点で終日分すべてチェック済み」「期限切れ食材の利用」などが挙げられています。同社員がルール通りにしようとすると、嫌な顔をされたり、怒鳴られたりしたとのこと。

 

 同社広報の発表では、食品衛生法上の問題はないそうですが、管理体制に問題があったと言わざるを得ない状況です。

 

 私もつい先日、串カツ田中ではありませんが、低価格で人気の飲食店を利用しました。来店したのは15時頃でピーク時間帯ではなかったものの、その店は満席に近い状態でかなり忙しそうな雰囲気でした。どう見ても人手が足りておらず、少ない人数で何とか回している状況です。

 

 お客の来店もなかなか途切れず、グラスやジョッキはカウンターから溢れんばかりにたまり、次から次にオーダーが入ります。明らかにスタッフは疲れ、イライラし、通常時の接客ができる余裕はありません。

 

 私が頼んだ飲み物のグラスの淵が汚れていたため、忙しそうな中で取り換えてもらいました。他のメニューも通常時と比べ、少し雑な仕上がりだと感じました。擁護するわけではないですが、あの状態では社内ルールを守りながら現場を回すのは難しいかもしれません。

 

 串カツ田中の状況がどうだったのかは不明ですが、人手不足は一つの要因だと思います。まどろっこしいことをしていないで早く持っていけ。片付けろ。大半の店がそんな感じになってしまうでしょう。

 

 だからと言って、雑なやり方ではお客から支持されるのは難しいうえ、下手をすればお客に被害をもたらし、違法行為、果ては店舗存続の危機になってしまう恐れもあります。

 

 この点、セルフ化、自動化、ロボットの活用など、各社さまざまな取り組みで解決策を講じています。ただ、何か一つやればすべてが解決するような状況ではありません。複数のやり方を組み合わせながら、工夫を積み重ねていくことが一番の近道になるでしょう。

 

 翻って、対症療法的な解決策だけでは同じような問題が次から次に出てきます。したがって、今までの延長線上ではない方法での「根本的な解決」が望まれます。

 

 「人による人へのサービス」は、人口減少が進む日本において過渡期にきています。低単価な商品を提供する店は特に「人の価値」を発揮できる業態に変更する必要があるでしょう。

 

「人の価値」はさまざまな側面がありますが、実店舗ビジネスにおいては「コミュニケーション」が最重要だと思います。つまり「感情の共有」です。ここを起点に業態を設計する。そうでなければ価値を生み出すのは難しいでしょう。

 

 さて、あなたが考える「人の価値」は何でしょうか?この機会にぜひ考えてみてください。

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