ニュースの論点No.680 騙されやすい脳

 「ソムリエが『最もまずい』と評価 400円ワインが国際コンクールで金賞に」2023914日、ライブドアニュースはこう題した記事を掲載しました。

 

 記事によれば、「ベルギーの公共放送局『RTBF』が『有名ソムリエに最悪と評価された激安ワイン』のラベルを張り替えて国際コンクールに出品する実験を行った結果、高評価を得て金賞を獲得してしまう事態が発生しました」としています。

 

 金賞を与えた国際コンクールがどんな評価方法を取っているのかが気になるところですが、誤解を恐れずに言えば人間の感覚などそんなものだと思います。

 

 「格付けチェック」などのテレビ番組でもあるとおり、人が持つ味覚をはじめとした「五感」は結構信用できない。絶対の自信がある人でも必ず間違いはあります(ガクトさんは…)。

 

 どんなに優れたスペシャリストでも、周囲の環境や事前に与えられた情報によって、人間の脳は簡単に騙される(勘違いする)のです。※美味しさは舌ではなく、大脳皮質で認識されます。ちなみにかき氷シロップは色が違うだけで同じ味です。目隠しをしたらワインも赤白区別がつかない人が多い。

 

 専門家と呼ばれる人たちはその権威性で多くの人に信用されます。その専門性ゆえに大抵のことは間違えないと思いますが、やはり専門家でも間違いは起こります。つまり彼らが言っていることを何でもかんでも鵜呑みにしない方がよい。

 

 専門家が行う「予測」はその最たるもので、さまざまな実験の結果「サルが投げるダーツよりも当たらない」と揶揄されることもあります。まあ、専門家とはいえ予測(未来)を当てるのはそもそも難しいので、この点は仕方がない部分があると思います。

 

 話を戻すと、例えばソムリエから「このワインは、世界に数本しかない○○年のロマネ・コンティです。雑味がないブドウ本来の複雑さと華やかさがグラスで溶け合う、10年に一度も出会えない絶品のワインです」なんて言われたらどうでしょうか。

 

 たとえ中身が数百円のワインだったとしても、おそらく大半の人が騙されると思います。「さすがロマネ・コンティは違うな…」と(私も騙される自信があります)。

 

 繰り返しますが、人間の脳は相当影響を受けやすい。ただ、これを悪用して人を騙すのは論外です。その一方で、私たちは脳のこの性質を活用するべきだと思います。

 

 お客様に対して、その商品・サービスの特徴や長所を的確に伝える。それだけで脳はその情報を事実として認識します。“そうなるように”処理するので、事実がより強化される。つまり、より高い価値を感じる。満足度は間違いなく上がります。

 

 経営者の皆さん。あなたの商品やサービスの特徴や長所は必ずお客様に伝えてください。あなたが何も言わなければお客様は気づかないばかりか、自分の経験や周囲の意見に流され誤った判断を下してしまいます。「本当の価値」を感じてもらえるようにしましょう。

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