
「アパレル在庫、改名でヒット 大量廃棄時代、見せ方で勝負」2019年1月25日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「年間10億点超ともいわれる過剰在庫に悩むファッション業界。処分を巡り、売り手と買い手をつなぐ新たなビジネスが生まれている。ブランドのタグを外し新しいロゴを付けて再販するスタートアップが登場」
「リネームはその名の通り、名前を付け替えたブランド。もともとは百貨店系ブランドやファストファッション、デザイナーズブランドがつくり、売れ残った衣料品をブランドから買い取ってタグを取り換え再販する。元の定価より2~7割安く買える値ごろ感で20代後半から40代を中心に消費者の評判を呼ぶ」としています。
いろいろと突っ込みどころのある昨今のアパレル業界ですが、リネームの取り組みはとりあえず作ったものを廃棄処分するよりは随分マシだということで良い動きだと思います(上からで目線で申し訳ございません)。
アパレル業界は現状、いまだに大量生産、大量消費(大量廃棄)の時代錯誤な状況となっています。まさに自分で自分の首を絞めている典型と言えるでしょう。1990年頃は調達数量(供給量)と消費数量が10億点ほどでほとんど差はなかったのですが、2018年には調達数量が30億点に届きそうな勢いで、消費数量は約13億で微増(といってもほぼ横ばい)となっています。つまり、消費数量の倍以上が供給されているのです(余剰在庫は14億程度の試算)。
こうなると結局、他に捨て値で売るか廃棄するしかありません。バーバリーの新品大量廃棄やZARAなどファストファッションメーカーの大量廃棄、製造に伴う環境汚染など、安価(高級品でも)な衣料品の大量供給の裏ではそのしわ寄せが当然どこかに表れます。
その流れの中で今回のリネームが生まれ、少しでもムダな廃棄を無くす取り組みとして機能はしているわけですが、如何せん対症療法にすぎません。この点、各メーカーの責任は非常に重大であり、根本的な解決としては、各メーカーが供給量を減らすことです。しかし、進んで生産量を縮小するメーカーは皆無でしょうから、市場の原理で淘汰されていくのを見守るしかない状況です。
その意味で言うと消費者にも問題があります。各メーカーの戦略に流されず、いいものを長く大事に使う習慣を持たなければ、一番割を食うのは消費者です。安価で得をしていると思っていても、その実セール前提の品質が劣化した商品や、まさに粗悪品といった激安品を掴まされているかもしれないのです。それが環境にも悪影響を与えているのですから、まったく笑えない状況といえます。
私は店舗ビジネスをお中心にコンサルティングを行っているのですが、アパレル以外の様々な業界でも無駄が多いと感じます。飲食店でも、小売店でも機会ロスを恐れて過剰に在庫を持つ店舗が多い印象です。この状況が長く続くとは思えません。いずれにしても必ずどこかでしっぺ返しが来ます。店舗経営者の皆さんには売上拡大だけにとらわれない経営を行ってほしいと思います。

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