
今の仕事を始めてからというもの、常に感じていることがあります。それは、世の中に「聞き役」が圧倒的に足りていない…という事実です。
これは仕事、プライベート問わず言えることで、本当に「聞き役」がいないな…と思います。体感的に、8割以上の人はまず自分の話を聞いて欲しい。いや、話だけではなく自分を見てほしい。承認して欲しい。SNSの現状を見てもわかると思います。
SNSをやらない人でも、普段会話をしていると「最近こんなことがあった、あんなことが‥」とどんどん自分の話を進めていきます。積極的に話すのは悪いことではありませんが、あまりに一方的すぎるとコミュニケーションのバランスが悪いかもしれません。
また、こちらが話し始めたら、「それよりも‥」「それだったらこんな話が‥」「私なんかもっと‥」と無意識に話題を自分サイドに変える、つまりマウンティングしている光景は日常茶飯事です。とにかく自分の意見、アピールを優先し、相手の話は聞いているようで聞いていない。
昔、一部で流行った「論破」という言葉が再び注目されています。いつの時代も「優れた話し手」の方がちやほやされるのだと思いますが、それにしても「優れた聞き役」はその重要性や価値が軽んじられているような気がします。
「優れた聞き役」は相手の頭の中、胸の内を自然な形で開放し、形にします。話を聞いてくれた上に、自分が本当に思っていること、言葉にならない感情を引き出してくれる。相手にとってみれば、この価値は相当大きなものです。
皆さん、人の話をしっかりと聞いてみてください。ただ聞くだけではなく、相手に「興味」を持って聞いてください。自分にも相手にも必ず気づきがあり、何より相手に感謝されます。相手は口に出さなくても、聞き役の印象、評価は確実に上がっています。
テクニックなんかなくてもかまいません。むしろ下手に技術を使うと相手が白けてしまう可能性が高いでしょう。本当に相手に興味を持って、その先が聞きたいと感じながら集中して聞く。
そして否定しない。法に触れるような話は論外ですが、一般的な内容であれば、自分の価値観で判断せず、相手を肯定するようにしましょう。それだけで相手からの信用度が増し、口が滑らかになり、普段は絶対言わないような話もしてくれます。
人の話を聞くのは、相手を最も承認できる行為です。人は無視をされるのが心身ともに一番ダメージを負うそうです。
人類は進化の歴史の大半で、150人ほどの共同体をベースに生活していました。厳しい環境の中では一人で生きていけず、集団からの阻害は死を意味していました。結果、集団の中で認められることは報酬として、阻害(無視)されることは生命の危機として脳に埋め込まれているのです。
ぜひ、今日から自分が聞き役になってみてください。相手の反応は必ず変わります。人間関係も変わってくるでしょう。こちらが一方的に話すよりも、信頼関係は必ず増します。
むしろ一方的に話していた時よりも、自分自身が言いたいことを素直に受け止めてくれるのでコミュニケーションロスは激減し、自分に対する理解度は大幅に上がり、関係性はさらに良好になっていきます。

コメント