
「結婚式もコスパ・タイパ重視 親しい友人、招くのは挙式だけ」2023年2月17日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「ミレニアルズのタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)重視する傾向はここにも表れ始めている。ごく親しい友人を披露宴ではなく、あえて挙式のみに招き、ご祝儀は受け取らない」としています。
また、「披露宴は親族中心に行い、新婚旅行にお金をかけるなど、合理的で柔軟な考え方がうかがえる」とのこと。時代によって結婚式の形も変わっていくのでしょう。
タイパ(時間の効率的活用)については、動画の倍速視聴やスキップ視聴、ショート動画、ファスト映画(映画に字幕、ナレーションをつけて10分程度にまとめたもの)、楽曲のイントロスキップでサビのみ聴く、あるいはイントロなしの楽曲ヒット傾向、本の要約サービスなどが挙げられます。
以上のように、その人自身が無駄と思える部分を省き、効率的に楽しむための利用方法が若年層を中心に支持されています。もちろん、全員がそうとは限りませんが、サービスが提供されている状況からすれば、多くの人が同様の価値観を持っているのでしょう。
まあ、楽しみ方は人それぞれで好きなようにすればいいと思います。そもそも誰にも強制できません。ただ、お手軽・簡単・便利ばかりだと、個人的にはちょっとバランスが悪いと感じています。
文章には行間が、音楽には休符が、映画には間があります。つまり「何もない空白」が全体の構成に大きな影響を与えているのです。これらは時間の流れと密接不可分であり、倍速やカット、要約では感じ取ることのできない部分です。もっと言えば、この空白があってこそ価値が高まっていると私は思います。
タイパ重視の姿勢では表面的な理解にとどまり、本質を掴んだり、センスを磨くような有益な時間にはなりにくいでしょう。知識として「知っている」レベルでよければそれでいいかもしれません。
冒頭の結婚式についても、合理的、効率的ばかりを重視してしまうと、結局「何のためにするのか」がすっぽりと抜け落ちているような気がします。だったらそもそもしなくていいのではないか。式にこだわる必要があるのか。無駄と思って省いた部分に、実は大事な何かがあったのではないか‥。
人生は時間でできています。「時間がないからタイパ重視」も分からなくはないですが、上っ面だけの理解だと、自分にとって本当に必要な、価値ある人やものに気づかない可能性が高くなります。タイパを重視するあまり、「人生の早送り」になってしまった‥。そうならないように気を付けましょう。

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