
これまで数多くの経営者・幹部の方とお会いしてきました。皆さん業種もさまざまで、創業者や後継者など立場もさまざま、さらに個々人の性格や考え方、強みや弱みもさまざまです。まさに十人十色と呼ぶに相応しい、リアルな経営現場を間近で見聞きし、肌で感じながら今も支援に携わっています。
さて、私の経験上、業績の芳しくない企業の経営者には共通点があります。その中の一つとして挙げられるのは「決断できない」ことです。あるいは「先延ばしする」と言ってもいいでしょうか。
新規事業を始める。採用する。昇進させる。設備投資する。借入する…。経営には多くの決断が必要な場面があります。ちなみに決断に似た言葉で「判断」があります。決断と判断の一番の違いは、「“正解がない”ことに対してするのが決断」「“正解がある”ことに対してするのが判断」だと私は考えています。
つまり決断に必要なのは自らの覚悟。正解がないことに対し、退路を断って自らの答えを出さなければならない。一方で判断には、より正解に近づくためのエビデンスが必要です。エビデンスをもとに論理的に考え、正解を選び取る。
新規事業や採用、設備投資などは一見正解がありそうですが、実は正解などありません。どんなに情報を集めても、正解にはたどり着けない。結局、経営者がするのは判断ではなく、すべて決断です。自分が“すべてケツを拭く”覚悟が必要なのです。つまるところ、経営者がする「経営判断」はすべて決断と言えます。
冒頭で、業績が芳しくない経営者の共通点で「決断できない」ことを挙げました。決断できないということはつまり覚悟がない。自分が責任を取るようなことをしたくない。要するに人任せで常に外部環境に左右される。
“今ここ”で“あなたの決断”が必要な時に、エビデンスを集め正解を求めてしまう。その姿勢は誰もが見ています。厳しい話になりますが、そんなリーダーには誰もついていきません。及び腰で一歩も二歩も遅れ、周囲に流された判断では「成果」はいつまでたっても出せないでしょう。
スケジュール調整一つとってもそうです。周囲への影響も考えずコロコロと変えてしまう態度は経営すべてに表れます。誰でも常に選択肢を多く持っておきたい。でも選択はしたくない。しかしながら、経営者がそれでは困ります。
経営における決断は、経営者にしかできません。だからこそ経営者が必要なのです。判断は社員でもできます。経営者が判断ばかりしているのは時間の無駄です。決断にこそ時間を使ってください。そして、決断したことを「正解」にするのが経営者の仕事でもあります。

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