世の中で「仕事」と言われるものは基本的に「人のため」になされています(趣味は自分のためですね)。仕事を座標軸で分けると、縦軸は「顧客の状態」で、マイナスからプラスの数値で表されます。我々が提供するさまざまな仕事によって顧客をマイナスからゼロ、ゼロからイチ、イチからジュウとより良い状態にしていきます。
ちなみに「マイナス→ゼロ」では良好ではない状態の相手に対し、業務の改善や不足を補う仕事です。「ゼロ→イチ」は未経験者や新規向けの基礎的サービスで、創業や新規参入なども含まれます。「イチ→ジュウ」は経験者や既存プレイヤー向けの応用的サービスで成長や規模拡大のイメージです。
一方の横軸は業種や職種など「何」を提供するかで、各業種を川上から川下(製造→卸売→小売など)に並べると立ち位置がわかりやすくなるかもしれません。例えば、私が経営するアパレル小売店の場合は、洋服を一般客に販売(小売業で川下に位置)することによって顧客の状態を「イチ→ジュウ」のレベルでより良くする仕事となります(取扱品目で変わります)。
もっと俯瞰してわかりやすくするために、「人の健康に関わる仕事」でざっくりと確認してみましょう。医業(医師)は基本的に治療「マイナス→ゼロ」が主な仕事です。初心者向けの体操教室やストレッチサービス等は「ゼロ→イチ」、本格的なトレーニングジムはワークプログラムや器具の提供による「イチ→ジュウ」が主な仕事になります。
さて、あなたはどんな業種(もしくは職種)で、顧客(一般客or企業)をどのような状態にする仕事をしていますか。川上や川下、また業種や職種に良し悪しはなく、自分自身がどの位置でどんな仕事を提供しているのか、まずは全体の中の位置付けを知ることが重要です。
再び私の話になってしまいますが、私はアパレルの他にコンサルタント業もしていますので、その仕事内容を軸に当てはまると縦軸ではマイナス→ゼロの「経営改善」、ゼロ→イチの「創業支援」、イチ→ジュウの「成長(拡大)支援」とすべてのステージを網羅していることになります。
横軸については、コンサルタントの仕事自体はサービス業で川下に位置します。ただ、業種についてはさまざまな企業をクライアントとして支援していますので、常に全体観をもって仕事に取り組める環境であるといえます。
翻って、顧客の状態を「マイナス→ゼロ」にするのは世間的に必要とされる仕事ですが、サービスを必要とする相手に金銭的余裕がない場合も多く、必然的に行政等の公的支援も手厚くなります。「ゼロ→イチ」に関しても「マイナス→ゼロ」ほどではないにしても、同様の状況と言っていいでしょう。
つまり、誰を顧客にするかで報酬がある程度決まるということです。基本的には「イチ→ジュウ」「ジュウ→ヒャク」「ヒャク→セン」とステージが変わるにつれ、報酬も仕事のレベルも上がっていきます(もちろん例外はあります)。
お金だけが大事なわけではありません。しかし、もしあなたが「もっと報酬を上げたい」という状況にあるのだったら、あなたの仕事自体がそもそも報酬の上がりにくいポジションに位置しているのかもしれません。
職業に貴賤はありませんが、何を仕事に選ぶかによって報酬は相当変わってきます。お金だけではないのは先述のとおりですが、それでも、人生の選択肢(自由度)の幅を保つにはある程度の金銭的余裕があるに越したことはないでしょう。
経営者の皆さん。まずは自分の仕事のポジションを俯瞰し、全体の中でどんな価値を提供しているのかを見直してみましょう。このことで必ず気づきが生まれ、次の目標も形にしやすくなります。

コメント