ニュースの論点No.660 挑戦しない時代

 「変わる高校生の職業意識 『安定』重視、挑戦心薄く」202374日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事では、日米中韓4カ国の高校生の進路と職業意識に関する国際比較調査の結果がまとめられています。

 

 記事によれば、「日本の生徒の特徴をひと言でいうと『安定志向・生活重視』だ。『暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい』と思う割合は84.5%で、10年前の調査に比べ7.3ポイント上昇した」としています。

 

 実は日本だけでなく、米・中も10年前より安定志向が強まっており、67割はのんびり暮らしたい派です。その中で韓国だけが唯一安定志向が減少し、相対的に挑戦意識が高くなっています(それでも8割はのんびり派)。

 

 他方、日本は「『仕事よりも、自分の趣味や自由な時間を大切にしたい』と考える割合も84.7%で最も高く、10年前比で27.2ポイントも高まった。」とのこと。

 

 加えて、「より良い職場があれば積極的に転職したい」「やりたいことに困難があっても挑戦したい」「できるだけ高い地位に尽きたい」「自分の会社や店をつくりたい」「望む仕事につけなくても、がまんして働くべきだ」は4カ国の中で日本が最低になっています。

 

 要するに、転職はしたくない。挑戦もしたくない。高い地位にもつきたくない。自分の会社や店はつくりたくない。がまんして働きたくない。という、まったくやる気が感じられない問題児です。これだけ見ると何とも…これからの日本は大丈夫なのかな…と思ってしまいます。

 

 もちろん皆が皆同じように思っているわけでもないでしょう。同じ人間でも経験によって意見は変わってくることも多いと思います。ただ、それでもちょっと心配になるような結果です。大学生になってより現実が見えてくると、もっと悲惨な状態になるのではないか。特に就職氷河期を経験した私や同世代の方々は他人事ではない懸念を感じているのではないでしょうか。

 

 さて、我々経営者は、早ければすぐ、あるいは数年後に彼らを従業員として迎え入れる立場です。今のうちにどんな人材戦略をとり、採用基準や育成計画はどうするのか。明確な形にしておくべきでしょう。

 

 若年層はどんどん減っています。しかも先述のように、よく言えば「のんびり派」が増えている。会社の成長を担う新たな世代とどう向き合うのか。経営者のビジョンやミッションの本質が問われます。何があってもブレない骨太の価値観を体現していたいものです。

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