
仕事柄「対話」をする機会が多くあります。経営者として社内ミーティング、コンサルタントとして経営者の相談や幹部を交えたミーティングなど、多種多様な「対話」の場があります。
さて、そもそも「対話」とは何なのか。皆さんなら何と説明するでしょうか。私の個人的な考えですが、「対話」とは相互理解を深め、気づきを生む創造的なコミュニケーションの場のことです。すなわち人と人の「本音のやり取り」。
一方、対話と似た言葉に「会話」があります。「会話」とはあっさり言えば「気軽なおしゃべり」です。日常の中で、特に目的もなく他愛のない話をするのはすべて会話と言えるでしょう。
つまり、「“対話”と“会話”」の違いは「“本音”と“建て前”」の違いです。何でもそうですが、比べて違いを知ることでそのこと自体の理解が深まります。
翻って、対話と会話は目的も違います。そもそも会話に目的はない。当然ですが、会話(建前)だけで何時間話しても、本質的な問題解決には結びつきません。
「会話を楽しむ」の言葉通り、会話はお互いが軽い気持ちでコミュニケーションするためのもので、「目的がない」のが会話の目的でもあります。
一方の対話には基本的にテーマやゴールがあり、お互いの価値観をすり合わせながら理解を深め、方向性を見出していきます。対話は本音のやり取りなので当然摩擦も起こります。むしろその摩擦がお互いの価値観を浮き彫りにする。これは対話の真骨頂でもあるでしょう。
コミュニケーションにおいては通常、会話と対話が入り混じります。例えば、社員とのミーティングでは軽い会話から始まり、徐々に対話に変わっていく。いわゆる雑談は会話の一種と言えるでしょう。
この点、「対話」に入る時はテーマやゴールを設定することと、それを事前に共有することが重要です。会話からいきなり対話に入ると違和感が残り、相手も警戒してしまいます。
また「対話」の場づくりに関しては、手を抜かず徹底的に行いましょう。この場づくりが対話の成果を大きく変えます。
私自身、徹底的に事前準備や場づくりをして対話に臨みます。テーマやゴールの言語化と共有、軽い雑談でアイスブレイク、何を話してもいい雰囲気づくり…。
手前味噌ですが、対話の後に「頭の中が整理されてスッキリした」「気が楽になって一歩踏み出す勇気が出た」「2時間があっという間だった」という言葉を聞くと、仕事冥利に尽きるな…と非常に嬉しく感じます。
経営者の皆さん。真の「対話」ができているでしょうか。まずは「何でも話せる場づくり」を意識して準備しましょう。それだけでお互いに充実した時間が過ごせます。

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