
「北日本は甘いのもお好き 九州・沖縄は苦味が人気 味の嗜好、データで可視化」2023年9月4日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「人の味の好みを科学的に解明する動きが活発だ。地域別にデータを分析したところ、塩辛い味の保存食が普及する北日本は甘味も人気で、甘いしょうゆが根づく南日本では苦味も支持されることなどが分かった」としています。
嗜好性は年齢でも異なり、10~20代は甘味が好まれ、苦みは好まれないとのこと。また男性は塩味、女性は酸味を好む傾向があるそうです。
もちろん、個人の好みの差も大きいと思われますが、生まれ育った地域や性別によって知らず知らずのうちに「自分の嗜好」の大部分はつくられているのです。
また、人の好みは「味」だけでなく、「色」や「におい」、「音」や「質感」など、五感を通した原始的な知覚によってさまざまな種類に分けられます。さらにそれらを総合した「料理」や「音楽」、「洋服」や「映画」、もっと大きく「趣味」や「仕事」、さらには「人」自体もそれぞれ個人によって千差万別、多種多様な好みに分かれます。
人が何かを「好き」と感じるようになるプロセスの一つに、「単純接触効果」があります。心理学者のロバート・B・ザイアンスが論文で発表した考え方で、人は繰り返し何かに接するだけでその対象に「好意」を持ってしまう。
人は「初見」のものを警戒します。何回も接触すると徐々に慣れていき、対象への安心感が生まれていきます。「馴染み」が「好意」に転じていくのも人が持つ性質として何となく理解ができます。
この点、地域による嗜好性の差は、生まれ育った家や地域の「味」に慣れ親しみ、それが自分自身の「好み」としてインプットされることで生まれるのでしょう。
翻って、店舗ビジネスでもリピート率を上げることで顧客の「好意」が醸成されます。繰り返し使ってもらい、お店の「ファン」になってもらう。そうすると顧客はもっとお店のことが好きになる。さらに「好き」が強くなると、他の人にも勧めてくれるようになります。これが積み重なると店舗ビジネスとして間違いなく強い。
多くの人は言葉にしませんが、自分が常連になっている店に対しては「好意」を持っています。つまり繁盛する店舗には顧客の「好意」が集まっている。ただ、最初から好きな人はいませんので、繁盛している店舗の経営者は繰り返し来店してもらう様々な「実践」をしています。
その中で最も簡単かつ重要、そして効果の高い行動が「“笑顔”で相手の“名前”を呼び“挨拶”する」です。これだけでも間違いなくリピート率は向上します。来店頻度が上がれば、顧客の好意はますます高まります。
「そんなこと知っている」という人は多いでしょう。しかし、実践している店舗は2割に満たない。これを地道に繰り返すだけでファンは確実に増えていきます。
経営者の皆さん。まずは顧客の名前を覚え、笑顔で挨拶しましょう。それだけで他店との差別化になります。逆に言えば、これができなければ絶対に繁盛店にはなれないのです。私も自戒の念を込め、改めて行動を見直していきます。

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