ニュースの論点No.700 無人店舗の行く末

 「コロナ禍で激増の『無人販売店』が“コンセプト崩壊”有人化、脱専門店化…何が起きているのか」20231127日、デイリー新潮はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「扱う商品の種類を増やす“脱専門店化”するお店が増え、さらに有人化に踏み切った店舗もある」としています。

 

 「餃子の雪松」は冷凍ラーメンの販売を開始し、「餃子図書館」は化粧品や日用品を扱い、「おうちdeお肉」はTシャツやシャンプーを店舗に置く…。「おうちdeお肉」は店舗の売却リストも出回っているそうです。

 

 万引きや会計のごまかしを防ぐために有人化した店舗もあります。記事タイトルにもある通り無人販売店の「コンセプト崩壊」が広がっているのです。何が起きているのか…と言っても答えは簡単。要は売上が取れていないだけ。

 

 当業態が出てきた時も言及しましたが、誰でも簡単に出店できるのであっという間に飽和状態になったのでしょう。どこにでもあるうえに単品業態は飽きられるのが早い。コロナ騒動が収束すれば外食も増えてさらにお客は寄り付かなくなる。

 

 コロナ前から同じことが繰り返されていますが、これからもまた同じように繰り返されるのでしょう。補助金で雨後のタケノコのように増えた「冷凍の生鮮食品等を扱う自動販売機」も同様の状況になりそうですね。話を聞く限り大半が売れていない。

 

 翻って、店舗ビジネスで「取扱商品」を増やすのは悪手です。特に経営資源の少ない中小企業が多品種化を目指すとロクなことになりません。特徴も出せず、すべてが中途半端でお客からの支持はまず得られない。「何屋」かわからない無人販売店舗に誰が行くでしょうか。

 

 当業態は閉店数も全国で増えてきており、まさに「終わりの始まり」の様相を呈しています。新規事業にチャレンジするのはすごくいいことだと思う反面、「流行りに乗るだけ」のような安易な選択は成功確率が低いばかりか大きな後悔を生みます。

 

 楽に儲かる仕事は一つもありません。自分自身の「時間、労力、お金」を最大限使い、さらにリスクを取らなければ、自分が望むリターンは一切期待できない。

 

 人手不足の中、今後も多くの無人業態が開発されるでしょう。ただ、無人店舗は差別化がしにくくマネされやすい。どんなに有能な人でも、商品や店舗設備、立地だけで特徴を出すのはかなり困難です。

 

 「何を付加価値としてお客に提供するのか」これは無人店舗に限らず商売の原理原則です。さて、あなたの会社は世の中にどんな価値を付加していますか? その価値が積み重なり、よりよい世の中をつくる基盤となっています。

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