
できる経営者の共通点の一つに「決断が早い」ことがあります。とにかく早い。聞いたら即決する。新規事業への参入や新商品開発、システム導入、事業の撤退や自身の進退も含め、何もかもが早い。
もちろん、何でもかんでも早ければいいというものでもないのですが、私自身は「決断が早い」というのは経営者にとって非常に重要な資質の一つだと思っています。
もし決断が間違っていたとしても、決断のタイミングが早ければリカバリーも早く、傷も浅く済む可能性が高い。逆に決断が遅ければチャンスを逸し、間違った決断でもダラダラと続けてしまう恐れがある。
そもそも経営は「やらないとわからない」ことがほとんどです。
明らかに「正しい答え」と「間違った答え」の中から選択できるようなことはまずありません。大半は「どちらも一理ある」という状況で、さらに「あちらを立てればこちらが立たず」のようなトレードオフの構造になっています。
そんな中、できる経営者はなぜ決断が早いのか。
それは「価値観が明確」だからです。つまりミッションやビジョンといった理念が体に染みついている。
いくら決断に必要な情報が与えられたとしても、最終的に決めるのは人間です。合理的かつ論理的で、誰が見ても完璧な提案だったとしても、それだけで選ばれることはない。最後は人間の感情が決めます。
この点、理念は「論理」ではなく「感情」を形にしたものだと考えています。きれいごとではなく、経営者や従業員の想いが言語化されたものが理念です。
ちなみに、「脳の感情を司る部位」を損傷した人間は、日々のなんでもない決断ができなくなるそうです。それくらい「感情」は人間にとって重要な存在なのです。
翻って、できる経営者の決断が早いのは、理念つまり感情が明確に言語化されているからにほかなりません。
その都度沸き起こる自分の感情で行き当たりばったりの決断をするのではなく、明確な基準を持って決断に対峙する。理念がない経営者と比べれば、考える時間ははるかに少なくなり、間違いもそうそうおこらない。
一方、創業社長の中には、野性的(感情的)に超即断して猪突猛進する人も少なくありません。この場合、理念としての明確な軸がないため、一貫性がなく失敗の数も多いイメージです。
ともあれ、経営者には判断する際の「基準」が必要です。一般的に経営理念と呼ばれるもので、ミッションやビジョンなどで構成されます。
さて、あなたの会社には経営理念があるでしょうか。仮になかったとすれば、時間をかけたうえに誤った決断をする可能性が高くなるでしょう。今からでも遅くありません。ぜひあなたの価値観を言語化し、明確な形にしてください。

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