コラムNo.825 顧客は何も知らない

先日、カラムーチョでお馴染みの「湖池屋」九州阿蘇工場見学に行ってきました。朝9:30から2.5時間ほどのプログラムで、非常に楽しく勉強になる機会となりました。

 

見学の大まかな流れとしては、創業から現在までの歴史、また原材料や加工についてのこだわりなどのレクチャーの後、実際にポテトチップスを製造する工程を見て回ります(揚げたてが食べられます)。

 

ちなみに工場に入る前には専用のつなぎ服に着替え、ワイヤレスガイドのイヤホンを着け、エアシャワーを浴びます。見学者にとってはそのすべてが特別な体験として記憶に残ります。

 

その後は8つのフレーバーを使った「オリジナルポテチづくり体験」ができ、最後はいくつかの商品をお土産としていただけます。まさに至れり尽くせりの内容で、見学した方はファンになること間違いなしでしょう。

 

企業側が工場見学を実施するのにはさまざまな目的があると思いますが、私は「商品の価値を伝える」ことと「ファンづくり」が主な目的ではないかと考えています。なぜなら、私自身が十分にそれを感じたからです。

 

特に「お菓子」類はCM以外ではなかなか知る機会もなく、大半の人は詳しい情報を調べようとも思わないでしょう。店頭で何となく選び、自分が好きな感じだったらリピートし、そうでなければ別の商品を買う。大体こんな流れではないでしょうか。

 

つまり選ぶ理由は「直感」です。特にお菓子はライバル商品も多数存在しますので、パッケージや商品名などでアピールすることも多く、「商品の価値」を伝えることについて二の次になるのは当然の成り行きかもしれません。

 

そんな中、実際に工場見学を体験すると、自分が知らなかった「価値」が大変多いことに気づきます。例えば「日本で最初にポテトチップス量産化成功(のり塩)」や「100%国産じゃがいも使用」など、他の情報も含めて初めて知ることが多く、新鮮な驚きがありました。

 

人は改めて言葉で伝えられると、その価値を再認識します。この点、大半の中小企業は価値を伝えるのが苦手です。

 

「言わなくてもわかる」「良いものは黙っていても売れる」「当たり前のことだからいう必要はない」「どこでもやっていることで珍しくもない」「わざわざ言うのはこっぱずかしい」など、変なプライドや先入観、固定観念などが邪魔をし、自ら売上アップの道を閉ざす中小企業が非常に多い。

 

特に自分が「当たり前」だと思っていることの中には、顧客にとっての「大きな価値」が眠っている場合が多い。むしろそれが「買われる理由」なのに、本人が気づいていない。私の経験上だけでも、同じ状況の企業はかなりの数に上ります。

 

経営者の皆さん。あなたの会社が提供する「商品の価値」を伝えられているでしょうか。顧客はびっくりするほどあなたの会社のことを知りません。ぜひ、一から見直してみましょう。

 

ただし、一つだけ条件があります。価値を見直して言語化する際は必ず「第三者」を入れるようにしましょう。なぜなら、「その価値」は自分では当たり前すぎて気がつかない場合がほとんどだからです。

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