
「氷河期世代「死ぬまで踏み台」 若手だけ給与上昇、格差あらわに」2025年2月5日、毎日新聞はこう題した記事を掲載しました。
私自身も氷河期世代として、就職活動の厳しさを身をもって経験しました。本当に求人が少なく、理想の仕事を選べる状況ではない。アルバイトですら簡単にできない。大卒でも半数以上は就職できない状況だったのを覚えています。
バブル崩壊後の厳しい就職環境を経験した氷河期世代は、今や50代が増えています。若年層の賃上げが進む一方で、この世代の賃金は停滞し、企業の昇進・昇格の流れからも外れがちです。
長年の経験があるにもかかわらず、企業内での役割が曖昧なまま、キャリアの選択を迫られる局面に差し掛かっています。
企業の側では、若年層の確保が最優先され、採用や昇進の機会が偏っています。
2024年の春闘では平均5%を超える賃上げが実現しましたが、経団連の調査では「若年層への重点配分」が34.6%に対し、「45歳以上への重点配分」はわずか1.1%でした。この数字が示すのは、企業が中高年よりも若手の処遇改善に力を入れているという現実です。
また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、2019年から2024年にかけて20代の給与は10%以上増加しましたが、40代はわずか0.1%の増加、50代に至っては減少しています。氷河期世代は就職時の困難だけでなく、現在も厳しい状況に置かれているのです。
しかし、これを企業側の問題として捉えるだけでは不十分です。この世代自身が、今後どのように働くかを決める覚悟も求められています。
技術の変化や働き方改革が進む中で、従来のキャリア観に固執するだけでは、企業内での存在感が薄れてしまいます。かつての価値観を引きずるのではなく、新しい働き方を受け入れ、変化に適応することが求められます。
企業もまた、固定観念を見直す必要があります。年齢で区切られた雇用制度を続けていては、人手不足が深刻化するこれからの時代に対応できません。
特に、現場で培われた知識や経験を無駄にしないためには、個人の得意分野を活かせる職務への配置転換や、社内での新たな役割の創出が必要になります。氷河期世代は人口も多く、何かしら役に立つ経験を持っている人が多いでしょう。
今の状況を変えるためには、企業と個人の両方が動く必要があります。企業は適材適所の配置を進め、個人は学び直しや新しい働き方に適応する努力が求められます。
時代の変化に対して、誰のせいにするのでもなく、自らが選択し行動すること。つまり、自責と覚悟を持つ。「死ぬまで踏み台」などと悲観しても現状は変わりません。本物の「主体性を持つ」ことは、これからの働き方を決める鍵となります。

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