コラムNo.917 今すぐ動く

今年一年、数多くの経営支援の場に赴き、加えてセミナーや研修にも登壇させていただきました。改めて感じるのは、企業ごとに動き方の違いが如実に表れるということです。

 

人手不足や物価・人件費の上昇、相次ぐ自然災害など、どの企業にとっても厳しい状況が続きましたが、その中でも「動き始めた企業」と「立ち止まったままの企業」では、数か月後の景色がまったく異なるものになっています。

 

ある車両整備業では、売上があるにもかかわらず利益が残らない状況が長く続いていました。整備メニューごとの採算や時間単価、原価をひとつずつ整理し、数字を見える形にしたところ、利益が出ない仕事(過剰サービス)の傾向が明確になりました。

 

経営者はその日のうちに値付けの基準を見直し、翌週には価格改定に踏み切りました。結果として、粗利率は10ポイント以上改善しています。

 

大きな投資や抜本的な改革を行ったわけではありません。日々の業務の中にある「できること」を一つずつ進めたことが、数字と現場の負担にそのまま反映されました。

 

一方で、同じような悩みを抱えていた別の企業は、着手するタイミングをつかめないまま時間が過ぎていきました。「落ち着いたら取り組むつもり」と言いながら、忙しさに押され行動に移せない日々が続き、半年後も数字はほとんど変わっていませんでした。

 

現場の負担も減らず、外部環境の影響をより強く受ける形になっていきました。能力や環境が大きく異なるわけではありません。両者を分けたのは、「まず一歩動いたかどうか」という点だけでした。

 

これまでも同様の場面を何度も見てきました。旧態依然とした姿勢のままでは変化に対応できず、AIICTをうまく活用するにも、最終的には人の判断が欠かせません。

 

改善の方向性を定めるのも、優先順位を決めるのも、現場で一歩踏み出すのも、すべて人の意思です。どれだけ外部環境が変わっても、この部分だけは変わらない。

 

今後も人手不足や原価上昇の懸念は続き、自然災害への備えも必要です。しかし、どれほど環境が厳しくても、今日できる一つの行動は、数か月後の状況を確実に変えていきます。

 

大きな改革である必要はありません。無理のない範囲で取り組めることを一つずつ積み重ねていくことで、状況が動き始める場面を今年いくつも見てきました。

 

明日からではなく今すぐ動く。
その姿勢が積み重なることで、企業の状態は少しずつ前へ進んでいきます。派手な取り組みではなくて構いません。私自身も「一歩」を大事にしながら、それぞれの現場で愚直に前進していく企業を増やすお手伝いを継続していきます。

 

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