
「話をするよりも聞く方を重視しよう」
「“話す”が2、“聞く”が8くらいの割合でちょうどいい」
皆さんも似たような話を聞いたことがあると思います。
いわゆる「傾聴」。
コーチングやカウンセリングの専門家でなくても、仕事やプライベートでそれっぽいことをやってみたり、あるいは本格的に学んで活用している人も多いと思います。
よくある傾聴スキルと言えば、
相手の言葉や感情をそのまま繰り返し、理解と共感を示す「オウム返し」。
相手の話を自分の言葉で短くまとめ、認識のズレを確認する「要約」。
「はい/いいえ」で終わらない問いかけで、相手の話を深掘りする「オープンクエスチョン」。
上記のような傾聴スキルはネット上にも無数にあります。
私も仕事柄、クライアントや関係者の話を聞く際、本音を「聴く」必要があるので、無意識に傾聴をしている場面が多いと感じています。
さて、ここからは個人的な考えです。自分のことは棚に上げますが、「この人は話を聞いてくれるんだけど、何だか話しにくいな…」と思う人が意外と少なくありません。これはプロコーチでも同様です。話しにくいというか、話したくない。
その理由の一つとして大きいと思っているのが、こちらに「興味・関心」がほとんどないこと。大変失礼な言い方ですが、話の聞き方がどうにも白々しい。あいづちや表情で上辺だけというのがわかる。
私自身は「興味=対象について知りたい」、「関心=対象をさらに深く理解したい」、という定義づけをしていますが、それがまったく感じられない。
まあ、こちらに何の魅力もないだけかもしれませんが(笑)、質問されても本音で返そうと思えない。
また、聞いてくれる相手が「自分が持っている答えに誘導する」ことも結構あります。自分の得意分野につながる質問や、予め想定している方向に連れて行こうとする。もちろん、悪気はないと思いますが、それが感じられると「自分本位だな」とちょっと冷めてしまう。
さらに「聞き手の方が聞きたいこと」を優先して質問されるパターンもあります。話し手は自分のことを聞いてほしいにもかかわらず、聞き手は自身の欲を優先してしまい、自分にとってプラスになるような情報ばかりを集める(相手の問題解決には興味を持たない)。
上記のすべてを満たしている人も中にはいますが、聞き手がいずれか一つでも感じると、本音が出てこなくなります。つまり、表面的な浅いコミュニケーション止まり。
もちろん、普段の何気ないやり取りだったら全然かまいませんが、問題解決の重要な場面ではコミュニケーション自体が悪影響を与えてしまう。
結論として、相手の話を「聴く」際は、相手に興味・関心を持つようにする(当たり前ですが)。逆に言えば、興味も関心もないのに相手に入り込もうとしない。
本音が聴けなければ対症療法となってしまい、同じような問題が繰り返し発生します。つまり会話(タテマエ)ではなく対話(ホンネ)が10割。むしろ表面的な傾聴スキルは関係性を壊す恐れもあります。
まずは相手に興味を持ち、相手が「聴いてほしいこと」を聴くように心がけましょう。そこからすべての源となる「信頼関係」が育まれていきます。

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