コラムNo.296 イメージと実態

 私は中小企業支援が主事業ですが、アパレル小売会社も経営をしていますので「会社のイメージと実態の違い」を客観的にも、また自分事としても痛感しています。「会社のイメージと実態の違い」とは、「儲かってそうだけど火の車」だったり、「社風がよさそうだけど、病んでいる人ばかり」のような状態です。

 

 その逆もあります。「業績が厳しそうだけど、超高収益体質」だったり、「一見ギスギスしてそうだけど、成長志向で一致団結した組織」のような感じでしょうか。いずれにしても、検索すれば出てくる表面的なイメージや聞いた話だけでは本来の姿は見えてきません。

 

 そうなる理由はいくつかあるのですが、最もわかりやすいのは「自分をよく見せたい」あるいは「自分が不利な部分は見せない」という人間は誰もが持つ当たり前の行動原理です。

 

 ただ、「悪い部分を隠す」のはわかりますが、「良い部分を見せない」会社があるのはなぜか。それは自分が不利な立場になる恐れがあるからです。会社であれば、競合からの模倣あるいは当局からの締め付けなど、誰しも自社の不利益になることはわざわざ表に出さないでしょう。

 

 で、何が言いたいのかというと、「人や企業の本質は付き合ってみないとわからない」という当たり前の事実です。個人でも、SNSで見る「良いトコだけの切りとり」は一面の事実ではあるかもしれませんが、実際の姿はその人本人にしかわかりません。

 

 あくまで私の経験上ですが、「何だかすごそうな会社(人)」は実際に付き合ってみるとそんなことはない(良いも悪いも)。相当背伸びをしている会社もあるし、さすがにそれはやりすぎ(JARO案件)‥という会社もあります。一方で儲かってはいるが、あえて目立たない場所で粛々と実務をこなす会社もあります。

 

 すべてをさらけ出すことは、会社にとって、また個人にとっても非常に難しいことだと思います。まあ、そもそも全部見せなくてもいいでしょうし、相手もそれを求めていない可能性は高い。とはいえ、お化粧をしすぎると今はすぐに情報が出回り、一発退場を食らう恐れもあります。

 

 この点、経営者として最も気を付けるべきは、相手にとって不利になる、損失につながるような事実は包み隠さず公開することでしょう。私のコンサルとしての先生でもある和仁達也氏の言葉を借りれば、「先に言えば説明、後に言えば言い訳」です。

 

 仕事でもプライベートでも、相手の期待値を下回れば、相手は確実に「損」を感じます。こちらがそう思っていなくても、勝手に期待して損を感じてしまうのです。なので、最初からきちんとした事実を伝える必要があります。

 

 とはいえ、単なる事実の羅列だと無機質すぎて面白みに欠けます。また、相手も魅力を感じてくれないかもしれません。ここで、経営者の「センス」が重要になってきます。事実の中にも、いかにして「遊び」「余白」「潤滑油」「華」などで魅力を引き出す演出ができるか。

 

 経営者の皆さん。ぜひ事実を魅力的に伝えるセンスを磨きましょう。センスを磨くにはセンスのあるヒト、モノ、コトに触れるのが一番です。常に外の世界に目を向けましょう。

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