コラムNo.651 顧客が感じる価値の本質

 「あなたの会社が顧客に提供している“価値”は何ですか?」 

こんな質問をされた経営者の方は多いと思います。よくある回答として、例えば店舗ビジネスであれば「食材にこだわり、手間暇をかけたおいしい料理」「家具にこだわり、ゆっくり落ち着いて話せる快適な空間」「流行のスタイルに仕上げるヘアカットスキル」などがあるでしょう。

 

 ところで、そもそも価値ってなんでしょうか? 辞書的な意味では、「われわれが生活していくうえでの必要や欲望を満たし、われわれに満足を与えるもの」となります。要するに「プラスの感情を引き起こすもの」と個人的には解釈しています。

 

 で、価値の難しさは人によって感じ方がまったく違うところです。つまり一人一人が違う「価値観」を持っている。美味しい料理を食べても、快適な空間にいても、思い通りの髪型になっても、人それぞれ異なる価値を感じ、結果、満足度も異なる。しかも、同じ人でもタイミングによって価値観が異なる場合も少なくない。ここに価値を提供する難しさがあります。

 

 この点、「価値観」は「優先度」に言い換えることでより理解しやすくなります。その人にとって“今”優先されることは何なのか。ここにその人が持つ価値観が集約されます。

 

 例えば、1日何も食べていない人は、手の込んだコース料理より量が多くすぐに食べられるものを選ぶでしょう。何カ月も髪を切らずほったらかしの人は、流行云々よりもとりあえず散髪して整えるだけでいいでしょう。

 

 つまるところ、人が感じる価値は「今、ここ」の心身の状態で決まります。「今、何が必要(不快の解消)」で「今、何が欲しい(快の追求)」のか。提供する側としては、ここを見定め、商品やサービスをつくり、提供する必要があります。

 

 価値は基本的に「有用性」「希少性」「関係性」の3つで構成されます。端的に言えば、「有用性」は役に立つこと、「希少性」は数量や時期が限定されること、「関係性」は好き嫌いです。これら3つが優先度を決める視点となり、すべて満たされれば、その人にとって「相当価値が高いもの」になります。

 

 経営者として顧客にどんな価値が提供できるのか。顧客は今、どんな状態で優先度はどうなっているのか。いわゆるターゲット設定においても必要な着眼点です。ターゲットは年齢や性別よりも、「価値観」に比重を置くことが肝要です。

 

 あなたの見込客はどんな「価値観(優先度)」を持ち、それに対してあなたはどんな「価値(有用性、希少性、関係性)」を提供するのか。まずはここを明確に言語化してください。ストーリー(起承転結等の物語)にするとより伝わりやすくなります。

    今週の経営コラムを無料でお届け 無料メールマガジン登録はこちら
    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次