
「とにかく売上をあげないとヤバイんです」…経営者の方から直接、あるいは紹介を受けた方からもよく言われる台詞です。そして「集客につながる販促や広告についてレクチャーをお願いします」と続きます。
もちろん、早期に売上が立たなければ本当にヤバイ会社もありますが、大半はそんなに焦って何かをやっても意味がない(どころかマイナスになる)会社です。
付け焼刃的な販促、広告は焼け石に水で効果はほとんどありません。あっても一瞬で終わり。むしろその後の集客がきつくなるので、長い目で見ればマイナスです。
ところが、頼んでこられる方々が求めているのは「わかりやすい効果が出る販促・集客策や広告宣伝方法」です。ここに大きな認識のズレがあります。そもそも、売上が厳しい会社は販促や広告にお金が使えません。にもかかわらず、わかりやすくて効果が高い施策を求められます。
しかしながら、販促や広告を使った集客はある程度のお金がかかります。しかも継続しないと効果は持続しません。つまりお金を使い続ける必要がある。資金難の状況ではまずやらない方が良い。というかやれない。申し訳程度にやったとしてもお金をドブに捨てるようなものです。劇的に伸びる施策があったとしても、結局は同じ角度で劇的に下がってしまうのです。
これらの会社に共通するのは現状把握ができていないことです。特にお金の流れについて、自社でどれくらいの固定費がかかっていて、それを賄う粗利はどれくらい必要で、粗利率は何%で、売上はどれだけ必要なのか。まったくわかっていないケースが多々あります。
現状を把握した後は費用の見直しが必要になります。不要な固定費は削減し、粗利率を改善する方法を考え実践しなければなりません。それらを踏まえた上で、ようやく適正な売上目標が出来上がります。
ここまできてやっと売上を上げる(目標を達成する)方法を考えることになります。最初から根拠ある売上目標もなく「ただ売上を上げる」目線で策を講じても先は見えています。自社のお金の流れを知らなければ、たとえ売上が伸びても利益が出ない可能性すらあるのです。
ちなみに、売上は「成果」のひとつですが、あらゆる「成果」をあげるために投入できる資源は「時間、労力、お金」の3つです。
お金がなければ時間と労力を使うしかない。一般的な中小企業は潤沢な資金があるわけではないので、基本的に時間と労力を多めに使わざるを得ない。ここぞというときだけ融資や補助金を活用して投資します。
一方、売上が取れず資金的に厳しい状況の会社は早急に経営改善をする必要があります。しかしながら、普通の会社より資金難のため使える資源は時間と労力“しか”なく、早期の改善は見込めないパターンが多い。こうなると外科的なやり方か、あるいはリスケで問題先送りにすることが大半になります。
つまるところ、経営改善にはある程度の時間がかかるのです。それは1年かもしれないし3年かかるかもしれない。使えるお金が少ないのでなおさらです。時間と労力をかけ、実績を積み重ねるしか根本的な改善方法はありません。
経営者の皆さん。限りある「時間、労力、お金」をどう使うのか。これは販促や広告などのやり方ではなく「あり方」の問題です。自分が何のために、何を目指していくのか。小手先の「やり方」をごちゃごちゃいじっても何も変わりません。結局は「あり方」を変えない限り、真の経営改善にはならないのです。

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