コラムNo.739 ブランドになるには

 スタバでiPhoneを片手にフラペチーノをオーダーし、左手のRolexで時間を確認しつつRIMOWAのキャリーからMacbookを出して仕事をする。休日はNIKEのウェアとシューズでランニング。

 

 いわゆる「ブランド」は仕事やプライベートを問わず、誰もが日常的に接しています。冒頭の例は意識高い系な人のイメージですが、それ以外にも世の中には価格帯を問わずさまざまなブランドが溢れています。

 

 ブランドは企業そのものや個別の商品・サービス、あるいは人に至るまで意識・無意識的に付加され、価値を測る基準のひとつとして浸透しています。要するに利用する商品やサービスによって、その人のこだわり(価値観)がわかる。

 

 そもそもブランドは家畜に焼印し、他と区別するための行為から来た言葉とされています。そこから時代を経てさまざまな意味づけがなされ、現在では価値の高いものや良品、安心感などが紐づく言葉として認識されています。

 

 消費者にブランドとして認識されると、企業にとっては非常に商売がしやすくなります。つまり楽に売れる。したがって、自社の商品やサービスを何とかブランディングしようとロゴやパッケージデザイン、著名人による広告宣伝などが活発に行われるようになりました。

 

 しかしながら、これらの行動は原義の「区別するためのブランディング」ではあるものの、顧客にとって本質的な価値を上げているわけではありません。表面的な形が整うだけです。

 

 顧客にとっての本質的な価値とは、その商品やサービスで顧客のどんな問題が解決されるのか。この一点に集約されます。その顧客体験が集積されブランドになる。つまり「ブランディングではなくブランデッド」。

 

 

 表面的な形を整えても長期的な支持には結びつきません。顧客体験というプロセスがなければ、どんなに頑張っても一過性の流行どまりです。ロゴやパッケージなどの「焼印」ではなく、「本質的な価値」がブランドの核となりえるのです。

 

 ブランド化の第一歩は、価値を言葉にして伝えること。この点、日本の企業が非常に苦手な部分だと感じています。遠慮する必要はありません。むしろ伝えない方が失礼です。人間の脳もブランドに反応します。「いいものだ」と言われるとその通りの反応をするのです。人を騙すのは論外ですが、本当に価値あるものは徹底的に伝えるべきです。

 

 翻って、中身が伴っていないのにロゴやパッケージで良く見せるのは悪手です。表面的なブランディングは価値を棄損します。短期的にはごまかせてもすぐにメッキが剥がれるのです。顧客の期待を裏切った場合、それなりの報復があると覚悟すべきでしょう。

 

 経営者の皆さん。まずは本質的な価値を高め、伝える努力をしましょう。冒頭挙げたブランドは提供する価値を磨き、さらにその価値を上手く言語化し、至高の顧客体験を提供した結果、ブランドとして長期的な支持を得ています。

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