コラムNo.751 リターンはリスクの先に

 皆さんは補助金を活用したことがありますか? この数年、コロナ禍のおかげ?で補助金の種類や金額が爆増し、それに伴い補助金ビジネスも百花繚乱、市場はまさに玉石混交の状態となっていました。

 

 ただ、コロナが5類になってからは国のコロナ対策予算もじわじわと少なくなり、ひと頃の盛り上がりに比べれば多少落ち着きを取り戻しています。

 

 そんな中、約1か月前の20244月末、コロナが生んだ徒花ともいえる「事業再構築補助金」が第12回公募を開始しました。

 

 事業再構築補助金については、一部の事業者や専門家による「悪用」も見受けられ、外部有識者による行政事業レビューでは「役割は終わりつつある」として「廃止か抜本的な再構築」を提言されていました。…補助金自体の再構築とは皮肉が効いています…

 

 しかしながら廃止は受け入れられず、基金からの支出が妥当かどうかの審査厳格化にとどめられることに。

 

 今回の公募では審査項目にも変更が加えられ、より厳格化されている印象です。ただ、その中で少し気になる文言。「国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないか」と記載。

 

 相変わらずわかりにくいですが、要するに「自社だけでやれるんだったらムダに補助金を使うな」ということだと思います。逆に言えば、自社単独ではやれない(やるつもりがない)事業者が優先される。

 

 私は経営相談で補助金の話になった際、「補助金がなかったとしても、この事業をやりますか?」という質問をします。質問の意図は「補助金が目的」とならないようにするためです。

 

 経験上、少なくない事業者が補助金を目当てにして相談に来られます。補助金に合わせて何かをやろうとする。

 

 もちろん、補助金申請はアイデアを出すためのいい機会という利点はありますが、思い付き程度の事業は高い確率で失敗します。そもそも事業化までいかないことも多い。その証拠に、補助金で購入したものの、使わずにほこりをかぶった機械設備が日本中に山ほどあります。

 

 補助金があるからといって、それに合わせて計画を立てるのは本末転倒です。経営は理念を基にした自社の事業計画がすべての核となります。

 

 たとえ勝算は低くても、人やお金といった資産を自分で集めて事業化するのが経営者の本来の姿です。「自社単独ではやれそうにないからとりあえず補助金を使う」のを悪いとはいいませんが、その発想はあらゆる資源をムダに使います。

 

 「補助金がなくてもやる覚悟」がなければ失敗する可能性は高い。ちょっと飛躍するかもしれませんが、審査項目に書かれた文言は「自社でリスクを取ってやるつもりはない」無責任な事業者を集め、補助金が目的になるのを助長する危うさがあります。

 

 個人的には、リスクを取ってやる覚悟がある事業者を補助金でサポートするのが本来の姿だと思います。でなければ単なるバラマキで税金の無駄遣いでしかない。

 

 経営者の皆さん。補助金に合わせて事業計画をつくるのはやめましょう。そこには何も生まれません。まずは自分が本当にやりたいこと、そのための事業計画が先です。目先のお金に振り回されないようにしてください。

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