
「この会議は本当に時間のムダだった…」
皆さんもこんな経験はないでしょうか。
私がこれまで多くの会議に参加して感じたのは、会議の生産性はファシリテーターに大きく依存しているということです。
ファシリテーターが場を適切に仕切れないと、時間ばかりが浪費され、結局声の大きい人の意見に流されてしまうことが多くなる。
一方、うまくファシリテーションが機能している会議では、全員が意見を出しやすく議論が活発に進みます。この違いは「場づくりの力」にあります。
よくある状況として、最初の一人の発言が会議全体の方向性を決めてしまう「アンカリング効果」があります。最初に「順調だ」と言われれば、その後の意見もポジティブに引っ張られ、逆に「問題が多い」と言われれば、皆が課題ばかりに目を向けてしまいます。
これを避けるためには、ファシリテーターが全員の意見をバランス良く引き出す工夫が必要です。
まず有効な手段として、会議前に参加者全員に意見を考えてもらっておくことが挙げられます。事前にアジェンダを共有し、各自の考えを整理してもらうことで、会議当日には準備された意見が出やすくなります。会議前に文書を提出してもらってもいいでしょう。
さらに、「ラウンドテーブル方式」を活用し、会議の冒頭で全員に一言ずつ意見を出してもらうことも効果的です。これにより、一部の意見が支配することなく、多様な視点が自然と引き出されます。
また、沈黙を恐れず活用することも重要です。会議中に沈黙が生まれると、すぐに埋めようとすることが多いですが、ファシリテーターはその沈黙を利用して、参加者に考えさせる時間を与えることができます。沈黙は深い議論を引き出すための貴重な時間です。
会議の始め方も重要です。最初の数分で場の空気が決まるため、軽い雑談や柔らかいトーンでの導入を行うことで参加者がリラックスし、意見を出しやすくすることができます。緊張が解けると自然と発言も増え、議論が活性化します。
進行中はファシリテーターが絶えずバランスを取ることが求められます。声の大きい人ばかりが発言する場面では、他の参加者に意見を求めることで偏りを防ぎます。「他に異なる視点はありますか?」と問いかけ、発言のバランスを見ながら直接指名してもいいでしょう。
以上の方法について、「当たり前だろう」と思うかもしれません。しかしながら私の経験上、大半の企業では行われていないのが現状です。というか、そもそもファシリテーターがいない会議も多い。
ファシリテーターの役割は「参加者全員の知恵を引き出すこと」です。会議はファシリテーターが場を支配するものではなく、参加者が積極的に関与できる空間を提供することにあります。
特定の声の大きい人だけが目立つ場では、本来出るべき多様な意見や視点が埋もれてしまいます。会議が終わった後、「この場は本当に意味があった」と全員が感じるためには、ファシリテーターの力量が不可欠です。
経営者の皆さん。今後の会議や打ち合わせの際は、参加者に事前に意見を準備させ、全員に発言を促し、沈黙を活用する工夫を試してみてください。この小さな工夫が会議の成果を大きく変えます。

コメント