
「Tシャツ1枚が200万円越え…! ヴィンテージTシャツの「値上がり」が止まらないワケ」2024年10月2日、現代ビジネスはこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「いまヴィンテージTシャツの価格が急騰している。30年前に数千円で買えたアイテムが、いまでは100万円を超えているケースも珍しくない」としています。
90年代のバンドTシャツが数百万の値段で売買され、セレブやコレクターの間では「投資対象」としても注目されているようです。
同様の現象は過去に何度も繰り返されてきました。バブル経済やITバブルなど、一時的に市場が加熱し、投機対象として注目されたものは、必ずと言っていいほど弾ける瞬間が訪れます。
ヴィンテージTシャツも例外ではありません。今は注目され価格が急騰していますが、その価値が永遠に続くわけではありません。人気が一巡したとき、急速に値崩れが起こるのは自然の流れです。経済の原則から見ても、急激に価値が上がったものは必ずどこかで落ち着く時が来ます。
価格が上がっているから価値がある、と考えるのは短絡的です。むしろ、ここで問うべきは「価値の本質は何か?」ということです。本当に価値があるものは、価格の上下に影響されることなく、長期的にその魅力や必要性が認められます。
個人的に価値は「有用性」「希少性」「適合性」の3つ要素に分解できると考えています。その人にとって役に立ち、数が少なく、好きなモノゴトには大きな価値がある。一つの要素を満たすだけでもある程度の価値は感じます。
この点、ヴィンテージTシャツは役には立たないかもしれませんが、希少性が高く、好きな人にはたまらないものでしょう。
ただ、今回ヴィンテージTシャツの市場が現在熱を帯びているのは、セレブやインフルエンサーの影響による一時的なブームであり、その根底には持続的な価値ではなく、流行に依存した一過性の人気があると言えます。
商売においても、短期的な利益を追い求めることは危険です。特に流行やバブルに乗じて、目先の利益を追求することは、長期的な成功を妨げる可能性があります。
ファッション業界においてはトレンドに敏感であることが重要ですが、その流行が去った後にも価値を提供できるかが、本当に成功する企業の条件です。一時的に売り上げが伸びても在庫の処理や市場の変化に対応できなくなり、結果として長期的な利益を損ねるリスクがあります。
経営者にとって短期的な流行に飛びつくことは魅力的かもしれませんが、商売は一発の当たりを狙うものではなく、長期にわたって安定した利益を積み重ねるものです。
ビジネスにおける成功は、「長く続けることができるかどうか」にかかっています。流行やバブルに頼るのではなく、自社の強みや価値を確立し、それを市場に届け続ける努力を続けることが最も確実な道です。

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