コラムNo.851 すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる

経営相談などの場で、様々な業種の経営者から「お困りごと」を聞く機会があります。資金繰りや採用育成、集客やリピートアップ策など、「今、解決したい問題」が次々に寄せられます。

 

経営相談ですから、当然今すぐできる「解決策」が求められています。一方で、短絡的に「解決策」めいたものを助言しても、効果は一時的です。

 

「すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる」という言葉があります。例えば「SNSの活用で集客が増やせる」というノウハウのアドバイスは、当初は効果があるかもしれませんが、長続きせず徐々に反応が薄くなってきます。

 

同じように、一気に流行ったものは一気に廃れていく。「即効性」は「即降性」であり、一気に上がって一気に落ちる。

 

すぐに役立つものは大半の人が欲しがり、大半の人が使います。結果、同じようなものが溢れ、皆が同じ状態になって違いがなくなる。で、結局そのしわ寄せで「新たなお困りごと」が発生します。そしてまた皆が同じ方法を使って…

 

逆に時間をかけて育てた人材や商品、サービスは長期的な利益をもたらす可能性が高い。大木が数十年、数百年かけて育つように、深く根を張り、広く枝葉を広げて抜群の安定感を持つ。

 

個人のスキルアップもそうで、今だと「AI」関連の知識やノウハウはセミナーなどの広告も多く、需要の多さを物語っています。しかしながら、いずれ「当たり前の知識」となって陳腐化し、役に立たなくなるでしょう。

 

人でも会社でも「差別化」あるいは「独自性」は短期的に得られるものではなく、長期的に培っていくものです。つまり「強み」は一朝一夕に身につくものではない。

 

付け焼刃的な知識やノウハウはあっという間に駆逐されます。もちろん、喫緊のお困りごとを解決するために基礎的な知識が必要な場合もありますが、そもそも短期で解決できることに大した課題はありません。

 

すぐに役立つものばかりをつぎはぎ的に集めても、何の強みにもなりません。むしろ不要なものが増え、コストばかりがかさんでいきます。

 

時間をかけて商品やサービスを浸透させる。商売のキモはここです。長期利益の獲得が経営の要諦でもあります。

 

SNSでバズることはプラス面もありますが、宝くじに当たることと同様、マイナス面も大きい。すぐに役立つスキル、知識、ノウハウはすぐに役に立たなくなる。

 

今流行りのノウハウを依存症のように追い求めるのは危険です。やり方にこだわるのではなく、自社の商品・サービスを磨きまくる。個人であれば机上の学習だけではなく、生身の経験を長く積み重ねる。

 

強みは継続から生まれます。ぜひ長く続けて、あなたならではの独自性を磨いていきましょう。

    今週の経営コラムを無料でお届け 無料メールマガジン登録はこちら
    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次