コラムNo.853 おやつと戦略

「遠足のおやつは300円まで」というルール。子供の頃はこの300円の枠をいかにうまく使うか、頭と体をフル回転させていました。当時はいろんな店を回り、ああでもない、こうでもないとワクワクしながら選んでいたものです。

 

さてこの300円。いわば「制約」です。ただ、「制約が強いほど創造は刺激される」。遠足のおやつも、300円に無限の可能性を感じ、精一杯の創造力を駆使する。皆さんもそんな経験がないでしょうか。

 

一方、おやつがいくらでも買える条件であれば、選ぶ楽しさや工夫への興味は失われ、ワクワク感は消失します。つまり楽しくない。自由度が高すぎると行動や選択の基準もなくなり、やる意味も失われる。

 

「制約が強いほど創造が刺激される」のは、なにもおやつの話だけではありません。例えば俳句。文字数の制限と季語を入れるルールがあります。それでも作品は無限に作られ、名作も生まれ続けています。

 

制約と創造の関係性は他にもたくさんあります。スポーツやゲームでもルールという制約があるから面白くなる。「何でもあり」は、結局何の価値も生み出さないと言ってもいい。

 

翻って、中小企業でも時間や予算、人員などの制約は常に付きまといます。これらをできない理由とするのか、創造力を働かせる要件とするのか、ここに中小企業経営の真髄があると言えます。

 

で、この「制約」の中で目標を達成するためにつくられるのが「戦略」です。遠足であれば、300円の制約の中、いかに友達間(仲間・競争相手)で「当日楽しむという目標(」が達成できるおやつを選ぶのか。300円という資源を何にどう配分するのか。まさに戦略策定。

 

中小企業でも、限りあるヒトモノカネといった経営資源を、他社と競いながら目標達成のためにどう配分するのか。これを決めるのが経営戦略。

 

もっとも、無限に資源を持っているのであれば、戦略など必要ありません。好きなものを好きなだけ使って好きにやればいい。しかしながら、そんな企業は一つもないでしょう。

 

どの企業も「制約」があるからこそ戦略を立て、試行錯誤を繰り返します。また、制約があるからこそ、今ある資源を活用して、どんな施策を行うのか考え、工夫し、実践する必要があります。

 

制約は創造を生み、創造が価値となります。最初から潤沢な資源がある企業は存在しない。創造力を高め、顧客により良い商品・サービスを提供するには、「制約」があった方がいい。過度な自由は人を思考停止状態にします。

 

経営者の皆さん。あなたにとっての制約は何でしょうか。それは目標達成を妨げる壁ではなく、創造性を高めるための要件です。ぜひ、制約を楽しみながらビジョン実現に邁進していきましょう。

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