ニュースの論点No.208 コロナで自然選択説が加速

 「首都圏の倒産、アパレル目立つ」2021421日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「東京商工リサーチが発表した2020年度の首都圏13県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の企業倒産状況によると、倒産件数は2258件と前年度比18.4%減だった。1989年以来31年ぶりの低水準で、減少は2年ぶり。新型コロナウイルス対策で国や自治体の支援により倒産が抑制された。」としています。

 

 行政施策の効果もあってか、全体の倒産数で見ると前年度より減ってはいるようです。倒産の内訳としては飲食、建設、アパレル関連(製造、販売)が目立ったようで、記事のタイトルはそこから持ってきたのでしょう。

 

 私もアパレル小売店の経営をしている手前、なかなか気になるタイトルです。また、中小企業診断士として公的支援でアパレル関連の企業に関わる機会も多いため、内実も多少は理解できます。

 

 私が知るアパレル小売現場の現状をざっくりお伝えすると、来店客数は戻りつつありますが、それでも78割程度といった感じです。コロナの状況によって繰り出される国や自治体の施策にも左右されるため、1年たった今でも「売上」は安定せず、元の状態に戻る気配はありません。

 

 大半の店舗は各種給付金、コロナ融資、借入金のリスケ等を行っても焼け石に水で、首の皮一枚で「何とか生き長らえている」状態で経営していると思われます。

 

 とはいえ、アパレルの厳しい状況は今に始まったことではなく、じわじわと市場は縮小していました。加えて、購入方法がリアルからネットに移っており、アパレルのEC化率は2019年で13.87%(EC 19100億円、全体は約9兆)というデータもあります。

 

 さらに人口減少、高齢化の影響も当然受けますので、仮にコロナ禍がなかったとしても、市場自体が「成熟」から「衰退」へと緩やかにステージチェンジしていくのは目に見えていました。

 

 コロナ禍はアパレル業界だけではなく大半の市場を強制的に新陳代謝させ、組織にも、個人にも変化を促しています。つまり、「これまでどおり」で生き残るのはまず不可能で、ダーウィンよろしく、あらゆる方法を使って変わらなければ、市場からの退場は免れません。

 

 私はこれまでスタッフに対し、「アパレルだけ見ていてもダメ」「販売だけやっていてもどこかで必ず行き詰るし、将来的に使い物にならない」「視野を広げて他のスキルや知識も磨いておけ」「どこかでビジネスモデルの限界が来る」と言い続けてきました。それでも今の仕事が好きなスタッフが残ってくれているわけですが、今後はどうなるか予測は難しく、同じように市場が続く保証もできません。

 

 私は可能な限りスタッフのことは守りますが、最終的に自分のことは自分で責任を持たなければ、成長はないと考えています。そして今まさに、誰もが自分でリスクを背負って変わるべき時と思います。コロナを良いきっかけとして、会社はもとより、個人レベルでも「自分はどうするのか」を決断する時期だと強く感じています。

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