コラムNo.221 社長の仕事

 先週、当社としてはかなり久しぶりに新店(アパレル小売店)がオープンしました。新駅ビル内に出店したこともあり、準備作業も多岐かつ大量で、オペレーションの研修等も合わせれば、現場スタッフにとっては相当な負担となっています。

 

 さらに、さまざまな取引先と情報を共有し、同時並行的に進める仕事量が通常の比ではなく、それぞれの仕事の仕方や処理能力が試される格好の場ともなります。これは現場スタッフだけではなく、メーカーやデベロッパー、内装業者等あらゆる関係者にとっても同様ではないでしょうか。

 

 さて、新規オープン時もそうですが、店舗にかかわる大イベントの際に前々から不思議に思っていたことがあります。それは、毎回「何もしない人」や「しなくてもいいことをしている人」がかなりの数で存在するということです。特に本部といわれる所から来る大半の人は「何もせず、いなくてもいい人」です。報告のためなのか、形だけ出張する方々は相当数に上ります。

 

 皆さんも、新館がオープンするときの関係者の多さに辟易した経験はありませんか。しかも、現場の細かいことに口を出し、混乱を招くだけ招いて満足そうに帰社される方も中にはいらっしゃいます(全員ではありません)。何もしない人はまだいいのですが、中途半端に入り込まれるとなかなか厄介です(繰り返しますが全員ではありません)。

 

 自分に求められる仕事の範囲を超えたとしても、相手が喜ぶ「プラスアルファの仕事」は歓迎されますが、自分がやりたいことを押し付ける「余計なお世話(言い換えれば、いらぬアドバイス)」は誰からも敬遠されます。私が知る「余計なお世話」は主に上司から部下に対して行われます。任せればいいのに、「良かれと思って」やってしまう。要するに部下の仕事を取り上げている状態です(自分は正解を知っていると勘違い)。

 

 経営コンサルタントの一倉定氏いわく「ダメな会社というのは、社長が部長の仕事をし、部長が課長の仕事をし、課長が係長の、係長は平社員の仕事をしている。そして、平社員は、会社の将来を憂いている」とのこと。この言葉を聞いたときは思わず膝を打ちましたが、同時に自分自身で反省もしました。

 

 まずは自身の役割を知り、すべきことに集中する。自分が何をすればいいのかわかっていないのに成果を残せるはずもありません。社長が、あるいは上司が部下の仕事を取り上げるのは言語道断だと私は思います。ただ、大体において、社長が社長の仕事を理解していない場合が多いのも事実なのですが。

 

 私が考える社長の仕事は、「会社の方向性(目的)を定める」「目的達成のために資源(ヒトモノカネ)を集め、配分する」「ノウハウを仕組化する」ことです。無論、創業期は一人で何でもする必要はありますが、どんな小さな会社であれ、会社の成長に伴い、社員や外部に作業的な「今」の仕事を任せ、自分は社長の仕事に集中するべきです。

 

 新店オープンの一連の流れから、改めて社長の仕事は「将来をつくること」だと実感しました。今にとらわれすぎ、いわゆるマイクロマネジメントのみに陥ってしまうと、視野狭窄となり二進も三進もいかなくなります。特にコロナ禍が続く、現在のような先の見えない状況では、見えないからこそ社長の「将来をつくること」という仕事が必要とされます。私も自戒の念を込めつつ、社長の仕事に邁進したいと思います。

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