
「携帯販売代理店の従業員『高いプラン勧誘』4割 総務省調査」2021年4月27日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「総務省は26日、携帯販売代理店の従業員の4割がニーズや意向を丁寧に確認せず上位の料金プランを勧誘したことがある」とのことです。
携帯販売代理店については、常に何らかの問題点が指摘されてきました。記事の件もそうですが、知識のないお客様に対し、いわゆる「ベタ付け(不要なオプションサービスの契約強要)」や「不要な物品のバンドル販売(高額なSDメモリーカード等)」はいつまでたってもなくならない悪しき慣習(というよりほぼ詐欺)として、定期的にニュースに挙げられています。
ちなみに携帯販売代理店の収益源としては、ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアから得られる「販売手数料(携帯販売台数やサービス獲得件数)」や「継続手数料(月額通信料の数%)」、「販売奨励金(目標達成に応じたインセンティブ)」また「各種支援金(実績により変動)」があります。どれも売れば売っただけ増える収益源です。逆に言えば、売らなければ収入は大きく目減りします。
このビジネスモデルでは、携帯電話黎明期で機器自体がほとんど普及していなければ相当な儲けになったのかもしれません。しかし携帯電話の出荷台数は2019年に3125万台(スマホ、ガラケー含む)で、ピークである2007年の5076万台から4割減と需要は大幅に減っています。人口減少、スマホの普及により、買い替え以外の需要はかなり厳しい状況であるのは誰の目から見ても明らかです。
結局、携帯電話自体が売れないとなれば、販売代理店が収入を上げる道は、契約者にとって無駄でしかないサービスを「無理やり」付ける外なくなります。これは携帯電話業界のみならず、どの業界にも言えることでしょう。お客様にとって無駄なものを売りつけるような商売はいつの時代もなくなりません。
一方、「頑張ってお客様に販売する」ことは、商売を生業にする人間にとって必要な一側面です。現場のスタッフから見れば、このあたりの線引きは難しいのではないでしょうか。特に店長やマネージャーなどから強い調子で指導されれば、いやでも必要ないものを勧めなければならない場面もあることでしょう。
ただし、いずれにしてもお客様から喜ばれなければ、そのやり方は100%間違っています。上司の強要が免罪符とはなりえず、お客様から搾取するような商売(というより詐欺商法)は絶対に長続きしません。携帯電話業界も遅まきながら、政府が介入し、その独占的な仕組みが徐々に解体されつつあります。
ちなみに私自身は携帯電話の販売店にはいきません。ほぼ確実にいやな気分になるからです(個人的な感想です)。もちろん、しっかりと教育された販売スタッフの方もいらっしゃるとは思いますが、残念ながらこれまで当たったことはありません。いきなり説明を始めるような、何も聞かず不躾に勧めるような店舗では、携帯販売店でなくても買い物したくありません。まずはこちらのニーズを引き出す丁寧な「リスニング」をしていただけると非常に助かります(商売の基本)。
今後、あらゆる店舗ビジネスでは、人口減少、技術の進展、コロナ後のニューノーマル化などの理由から、人による接客の仕事および機会は減っていくと思われます。つまり、高いお金を出してでも接客を受けたい「プロ」しか残れないということです。携帯販売店のようなヤ〇ザな商売をやっていたら、政府が介入せずともあっという間に淘汰されるでしょう。本記事を反面教師として、自分自身の商売を見直していきたいものです。

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