ニュースの論点No.241 コンサルとしての関わり方

 「教えてコンサル、あれもこれも 日本企業に依存症」2021125日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「経営改革の重要な戦略作りで外部のコンサルティング会社に依存する企業が増えている。縦割りの組織風土がぬぐえず、意思決定の機動力を失ったままDXなどの難題に直面したからだ」としています。

 

 同記事によれば、「国内コンサル市場は2025年に12551億円と20年から46%増える見通しだ」ともあり、外部コンサルに依存してしまう状況は今後さらに加速していきそうです。

 

 いわゆる戦略系コンサルや総合コンサル、ITベンダー各社が入り乱れながら、大企業相手に中期経営計画などの戦略立案や汎用システム開発、経理や人事などの業務を受託しています。企業が大きくなれば、縦割りの弊害、複雑な人間関係が会社を蝕み、部署間の仲介や経営トップへのプレゼンも「コンサル頼み」となってしまうのです。

 

 本来なら自社が主導権を持って考えるべき「経営計画」や「戦略」などの経営の根幹を、外部のコンサルに任せることが日常になってしまうと、企業は早かれ遅かれ気づかないまま依存症になってしまいます。人事部門まで手綱を握られてしまうと、もはや誰が経営しているのかもわからなくなります。

 

 私は大企業相手のコンサルタントではありませんが、中小零細企業でも同様の状況は存在します。人がつくったものに対し、「責任」や「覚悟」といった経営者に最も必要な要素はまず発動されません。誰もが納得するロジックできれいな絵が描いてあったとしても、実践がなければまさに「絵に描いた餅」になってしまうのです。

 

 中小企業における「絵に描いた餅」の最たるものは、補助金や融資の際に必要な「事業計画」でしょう。専門家やコンサルが一応経営者にヒアリングはしますが、大半は彼らがつじつまの合うストーリーを描いています。行政や金融機関側としては、理屈に合えば(稟議が通れば)それでOK。大企業も似たようなものでしょう。

 

 翻って、私のコンサルタントとしての関わり方は、横並びのパートナー型です。経営者の頭の中を整理しつつ、やりたいことや強みを明確化し、独自の戦略を描いてもらう手助けをします。もちろん知識やノウハウを教えることもありますが、ビジョンやそれを実現するための戦略、アクションプランづくりは経営者自身に、幹部など社内の協力を得ながらやってもらいます。

 

 結局、「自分事」にならなければ、人はまず責任を持ちませんし、覚悟を持てるはずもありません。優秀な人材が集まって描いた戦略は誰が見てもキラキラとした美しいものでしょう。しかし、その戦略を実践するのは現場の社員です。トップに責任や覚悟がない(要は他人事)のに彼らは実践するのでしょうか。

 

 サラリーマン経営者が、コンサル会社に高いお金を払ってつくらせた戦略はどれくらい実践され、どれくらいの成果を生み出しているのかは定かではありません。検証すらしていない企業も多いでしょう(責任を取りたくないから)。

 

 中小企業経営者の皆さん。まずは自分の頭で考えるクセをつけましょう。「わからなかったらすぐ聞く」のは、悪いことではありませんが、いずれ依存を招く恐れがあります。わからなくても、自分で調べ、自分の頭で考えたうえで聞くようにしてください。そのひと手間があるだけで、自分事として捉え、責任や覚悟が生まれやすくなります。

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