
「『ゼロゼロ融資』借り換え保証 中小企業庁がきょう開始」2023年1月10日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「中小企業庁は新型コロナウイルス対策として実施した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済負担を軽減するための借り換え保証制度を10日から始める」としています。
また、J-Net21によれば、「民間ゼロゼロ融資の返済開始時期は2023年7月~24年4月に集中する見込み。こうした状況を踏まえ、民間ゼロゼロ融資からの借り換えに加え、他の保証付融資からの借り換えや、事業再構築などの前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応する新しい保証制度を創設することにした」とのこと。
新制度では、「売上または利益率が5%以上減少」などの要件を満たした中小企業が金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成し、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を0.85%から0.2%に引き下げることができます。なお、保証限度額は1億円、保証期間は10年以内(据置期間は5年)です。
この制度が始まったことで助かる中小企業は多いでしょう。ただ、これによりいわゆる「ゾンビ企業(採算が取れていないが、売却や破産といった事業撤退をせず市場にとどまる企業)」がさらに増えると思われます。帝国データバンクによれば、2021年度のゾンビ企業率は全企業の12.9%とのこと。数にして18.8万社がゾンビ企業なんだそうです。
コロナ禍は全業界の時計の針を一気に早めました。儲からない企業は即刻退場を迫られ、淘汰されるスピードも増しています。ギリギリ頑張っていた企業は風前の灯火となり、給付金や借入などで何とか持っている状態でした。平時でギリギリですから、コロナ禍で利益を出すのは相当困難です。
そんな企業が今回の制度で新たに「ゾンビ企業」となり、市場で生き永らえるというサイクルが続いているのです。もちろん、現場で死ぬほど頑張っていた店舗から見れば、決断力のない政府の無策による犠牲という面もあります。しかしながら、経営者になったからには、甘いことは言わず自分で何とかする力も必要です。
国によるセーフティーネットは必要である反面、それを期待しすぎる経営者も少なからず見受けられます。コロナ禍は予想外の災厄でしたが、それは全世界共通です。厳しい会社もある中で、厳しい業界でも業績を伸ばしている会社もあるのです。
あなたの会社はどうでしょうか。一時的な危機はどんな会社にもあります。だからと言って、セーフティーネットを「当て」にしたら覚悟はなくなります。私自身、自戒の念を含め、改めて経営を見直したいと思います。

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