
私はアパレル小売店経営者兼コンサルタントとして仕事をしています。最初は両者の仕事の違いに大いに戸惑いました。一方はアパレル商品というモノを一般顧客に販売する仕事で、もう一方は社長のお困りごとを解決する仕事です。顧客が求めていることも、仕事の内容も全く違います。
モノ(服)ではないサービス(問題解決)を、しかも業界のプロである経営者に対して提供するのは勝手が違い過ぎて大変苦労しました。もっとも、私は一応経営者の端くれであり、同じ経営者として、気持ちはわかる部分が多いと思います。経営経験のないコンサルタントからすれば強みになり得るかもしれません。
ただ、だからといってすぐにコンサルタントとしての仕事ができるとは限りません。私も相当試行錯誤し、多くの失敗を重ねてきました。
経営者が最も嫌がることの一つに「上から目線で指導」があります。別に経営者ではなくても嫌かもしれませんが、基本的に経営者は何でも自分で決めたい人種です。自分ができないことは人一倍悔しいし、認めたくありません。よく知らない相手から価値観を押し付けられ、「こうしなさい!」とか言われたらもう最悪です。
私もこの点は理解していたつもりですが、当初は経営者の気持ちを考えず、求められてもいないアドバイスをしていた時期があります。上っ面の状況だけ聞いて、一般的な成功事例から安易に引っ張り、したり顔で教える。経営者からすれば最悪なパターンでしょう。経営者自身には当然知識も経験もあります。教えられたことはすでに実施済みの場合も多い。釈迦に説法とはまさにこのことです。
こうして皆さんに迷惑を掛けながら試行錯誤と失敗を重ね、なんとかここまでやってきました。さまざまな経験や学びの中で、ようやく自分なりの「型(冒頭の図参照)」ができたと思います。
要するに、「相手の状態に合わせて接し方(モード)を変える」ことが最も重要なのです。これがズレている専門家の多さは説明するまでもないでしょう(上から目線はまさに)。私もそのうちの一人でしたが‥。
ちなみに図の状態や接し方は基本的には右下からZ型に流れていきます(人によって差異はあります)。畑を耕した後に苗を植え、支柱で支えながら適度な水や光・肥料で成長を促すイメージです。
私なりに言葉の定義をまとめると、カウンセリング(自己肯定感の回復)、ティーチング(知識の移転)、コーチング(目標達成の支援)、コンサルティング(本質的問題の解決)となります。それぞれに専門家もいますのでいい加減なことは言えませんが、個人的にはこんなイメージで定義づけしています。
翻って、私は経営者として前々から思っていたことがあります。カウンセリングをはじめ、各分野の専門的かつ本格的なサービスは役に立つ反面、日常的には重たすぎて使いづらい。ちょっと困ったときに、それぞれの役割で気軽に対応してくれる相談相手が欲しいな…ということでした。
この点、私は「思考のスタイリスト」というセルフイメージを持って仕事をしています。アパレル同様、まずは相手が持つ服→経営資源(ヒト・モノ・カネ・知識・スキル・ノウハウ)を最大限活かします。
そして手持ちにないものはアイテムを買い足し→知識の補充(研修・セミナー)、さらにアクセサリー→ツールやアプリ(DX等)などを使いながらTPOに合わせて最大効果が見込めるコーディネートを提供する。そして最終的には顧客のビジョン実現に導く。
もちろん、「思考のスタイリスト」として相手の頭や心の状態に合わせ、カウンセリングやコンサルティングなど接し方をカスタマイズするのは大前提です。それぞれの状態において最適なコミュニケーションを図り、成果が出やすい(行動したくなる)状態に導きます。‥こうして考えると、アパレル事業とコンサル事業は思いのほか共通点が多いことがわかりました。
さて、経営者の皆さん。皆さんは何でも気軽に話せる相談相手を持っていますか? くれぐれも一人で頑張りすぎないようにしてください。一人で悩むのは時間の無駄です。自身に合うパートナーの存在は、想像以上にあなたを助け、事業成功のスピードを上げてくれます。

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