
「空前の唐揚げブーム、『いつか終わる』と分かっていても企業がこぞって参入したワケ」2023年4月14日、ITmediaビジネスONLINEはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「コロナ禍で、唐揚げ専門店の出店ブームは一気に加速した」「しかし、昨今『唐揚げ専門店が相次いで閉店している』と複数のメディアや調査会社が報じている」としています。
日本唐揚協会によれば、全国の唐揚げ専門店の店舗数は2022年で4379店舗と前年比約4割増、また、富士経済によれば唐揚げ専門店の市場規模は2022年で1300億円程で前年比8%増と試算されています。いずれも唐揚げ専門店の数字なので、単純に割ると1店舗当たり売上は年間2968万、月間では247万、1日当たり9.8万(25日、客単価1000円で100人)となります。
ちょっと数値が高いような気もしますが、フランチャイズ店舗が公開している試算等から勘案すると、あくまで「平均」として見れば妥当な感じかな…といった売上です。
唐揚げ専門店の開業費用は200万~で通常の飲食店と比べ負担は少なく始めることができます。原価は20~30%、固定費はそれぞれですが、営業利益は20%程度見込める店舗が多い印象です。立地さえ間違えなければ大きな失敗はないとも言えます。
ただし、現在は店舗数が大幅に増えている一方で市場規模の伸びは鈍化しています。つまり、1店舗当たりの売上は減少しています。今から安易な出店をするのは控えた方がいいでしょう。
そもそも唐揚げは専門店以外にも、コンビニやスーパー、飲食店で提供されています。自宅でも比較的簡単につくることができます。いくら日常的に食べるものとはいえ、そろそろ上限に近づいているのかもしれません。何回もお伝えしているとおり、ブームは供給過剰の直前なのです。
さて、記事では企業がこぞって参入した理由として、「コロナ禍の中、雇用を確保するためにやむを得ず」とあります。確かに唐揚げのニーズはコロナ禍の中で伸びました。社員の雇用を守るために、藁をもつかむ思いで参入する会社も多かったと思います。
その一方で、安易に参入した会社も結構な数があったでしょう。いずれにしても、「参入障壁が低い」からこそ誰もがやりたがり、結果、競争が激しくなります。短期間で投資回収ができればいいですが、「やめ時」を決めるのも簡単ではありません。
緊急事態のときこそ、一旦落ち着いて現状を俯瞰し、客観的に物事を見るようにしましょう。そして物事を始める時は、「終わり方」まで考えておくとブレない経営判断ができるようになります。

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