ニュースの論点No.708 不安定だからこそチャレンジ

 「お年玉『平時の予算』に戻す? コロナで急減、回復鈍く」20231226日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「新型コロナウイルス禍で親戚の集まりが減ったここ数年、お年玉のやり取りも少なかった」としています。

 

 お年玉の市場規模(家計調査から算出)は20211月期で3158億と試算されています(日本市場規模協会より)。この年は前年比で3割近く減少しており、コロナ禍の多大な影響が見て取れます。2000年からの推移で見ると、ピークは2005年の6297億。その頃からすれば21年度はほぼ半減しています。

 

 少子化により子供の数自体が減り、さらにコロナ禍で親戚が集まる場がなくなったことが減少の大きな要因です。じわじわと減り続けたところにコロナのダメ押し。今は戻りつつあるとはいえ、コロナ前の規模にはまだまだ戻り切れない状態です。

 

 ちなみに、お年玉の平均額は23年度で小学1年が17千円、中学23年が2万8千円とのこと(最近はキャッシュレスも増えているとか)。使い道は6割以上が貯金で、あとはおもちゃやゲームなどの子供らしい使い道になっています。貯金に関しては親が介在していると思われますが…。

 

 ということで、お年玉の日本経済に対する影響は、市場規模や使い道からみてそう大きくなさそうですね。

 

 話変わって、お年玉のはじまりは1215世紀と古く、年神様が新年のタイミングで運んでくる「年」を餅(年の魂が入った年魂)に見立て、家族で分けていたそうです。ここから「御年魂」「御年玉」になったとか(ポプラ社)。他にも諸説あるようです。

 

 海外でお年玉の習慣があるのは、中国や台湾、シンガポール、韓国…ほか、アジア地域に多いとのこと。旧正月(春節、1月末~2月初)にお年玉を渡す国が大半です。お年玉はそれぞれの国で独自の文化として根付いているようです。

 

 さて、最近では少子化やコロナ禍以外にもお年玉を減らす要因には事欠きません。特に物価の高騰が続き、生活費が軒並み上がっています。お年玉が減るのは子供達にとって悪いニュースですが、大人たちにとっても現状はまさに死活問題です。

 

 視点を変えると、お年玉の額は日本の元気度や若さを表しているとも言えます。日本全体が年を取っているのがリアルに数字に表れる。この先はさらに国全体で高齢化が進み、お年玉どころか、高齢者に対して若年層からお金を渡す(税金や保険で)状況が続くでしょう。

 

 日本はすでに超高齢化社会です。お年玉を含め、これまで根づいた文化や慣習は少なからず消えていく可能性があります。というより、どんな文化も永遠に続くものではありません。時代が変われば人の価値観も行動も変わります。

 

 この点、今は“変化が見える非常にいい時代”だと思います。まさに過渡期。この不安定な状況は大きなチャンスです。経営者の皆さん。ちょうど新たな年に変わるいいタイミングです。より一層のチャレンジをしていきましょう。

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