ニュースの論点No.710 有事の際の対応

 この度の令和6年能登半島地震により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

 皆様の安全と被災地の一日も早い復興、そして被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

 

 今はまだ発災直後で先のことは考えにくいと思いますが、今後、被災された経営者が取るべき主な対策を下記にまとめています(拙著「リアル店舗経営改善の教科書」より抜粋・加筆)。ご参考になれば幸いです。

 

 今回の能登半島地震のような有事の際には、状況に合わせた対策が必要です。対策フェーズは5段階あり、

【止血→輸血→手術→リハビリ→全快】

という道筋をたどります。

 

 まず「止血」から考えていきます。これは自社から出ていくお金を最小限に留めるということです。運転資金(仕入れや賃料など)を抑えることは当然として、借入金の返済、税金・保険料、電気・ガス料金の支払いも猶予が可能です。最初にやるべきはこの「止血」であり、これをしなければ以後の施策は全く意味を持ちません。

 

 次に「輸血」です。これは自社に資金を注入するということであり、政府の施策を活用することはもとより、自身にできる方法をすべて行い、お金を集めます。企業はお金が無くなればそれで終わりです。セーフティネット保証や利子補給、自治体の制度融資、補助金、助成金を総動員し、自社に必要なお金を確保します。

 

 輸血の次は「手術」です。これは現状におけるムダな業務、コストをカットすることです。業務の見直しから、ムダがあれば業務自体をカットすることは当然で、コスト面でも不要不急なものは聖域を作らず全てカットし、嵐が過ぎるまでは身軽でいるようにします。

 

 次に「リハビリ」に移ります。このフェーズはできる業務を部分的に行っていくことです。地震の場合、地域によっては建物が全半壊し、同じ場所では業務の継続が困難になっているかもしれません。移転をはじめビジネスモデル自体の見直しも視野に入れながら、できることから徐々にはじめていきます。

 

 最後に「全快」となり、ここでようやく普段通りの経営体制となるわけですが、一つ重要なポイントとして「元の状態を目指さない」ことが挙げられます。有事の際は顧客の価値観が変わり、そもそもインフラが使えなくなるかもしれないからです。

 

 要は以前のやり方をそのまま続けるのはかなりのリスクが生じるのです。有事をきっかけにして、新たなやり方を構築した方が会社としても成長し、今後のリスクにも強くなります。

 

 以上が有事の際の対応方法ですが、より体系的に、災害などの緊急事態時の復旧を図るための事業継続計画(BCP)を作成しておくのも一つの手でしょう。また、国がお墨付きを与える認定制度もあり、こちらは「事業継続力強化計画」と呼ばれています。認定されると、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。

 

 中小企業庁HP https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm 

 

 被災地域の方は不安で辛く厳しい時間を過ごされていると思います。今はとにかく安全な場所でご自身の命を大切にしてください。今後、徐々に支援物資も届き、必ず状況は落ち着いてきます。政府や民間によるさまざまな支援も実施されますので、少しでも気持ちを楽にして日々を過ごしていただければと思います。

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