
「百貨店売上高、コロナ前並みに 免税3倍、衣料品1割増」2024年2月7日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。
記事によれば、「2023年の全国百貨店売上高は既存店ベースで、22年比9.2%増の5兆4211億円になった。国内消費が大きく伸びたほか、通年として過去最高額を更新した免税売上高も全体を押し上げた」としています。
百貨店売上高はコロナ禍前の19年比97%まで回復しています。免税売上高は3484億円で過去最高額に。ちなみに免税売上高は売上全体の6%程度です。訪日客は韓国や台湾、香港、欧米客が増えたとのこと。
都市別では東京1兆6070億円、大阪8764億円が抜きんでており、2都市だけで全体の45%を占めています。それに横浜や名古屋、福岡などの大都市を加えれば百貨店売上高の大半を占めます。
一方、「百貨店がない都道府県」のニュースも聞かれます。山形、徳島、島根、岐阜の4県が2024年2月現在で百貨店がない県です。基本的には人口がそもそも少ない、あるいは近隣の大都市に買い物客が流出することで百貨店の淘汰が進み、百貨店がない県が表れているのです。
このままいけば、地方都市から百貨店はなくなっていきます。当たり前と言えば当たり前の話で、需要がなくなれば供給側の存在意義はなくなり、撤退するほかありません。
百貨店も時代の流れに合わせ、変わっていくことが求められます。大都市は富裕層への外商や訪日外国人が大挙して訪れるので、ある程度経営は安定するでしょう。しかしながら、地方の百貨店は人口減少により絶対客数が減っています。
それに加え、顧客も従業員も高齢化の道を辿っています。顧客は70~80代、従業員は50~60代が目立ちます。30年前から登場人物に大きな変化がない。多少は店舗の入れ替わりがありますが、1年間の催事スケジュールは毎年ほぼ同じ。
まさに新陳代謝が進んでいない状態、つまり老化です。じわじわ目に見えない速度で進んでいるので目立ちませんが、それは確実に進んでいます。
コロナ禍では多くの業界で危機的な状況に陥りました。それが収まってきたことで需要が回復しつつあります。この点、勘違いしないように気をつけるべきです。良くも悪くも外部環境の変化に振り回されない。訪日客の需要増には円安も好影響を与えています。
大都市に比べ、地方の百貨店はそこまで数字は戻っていません。そもそも恩恵を受けづらい。今までと同じやり方ではまず浮き上がれないでしょう。現場スタッフから経営層まで、一人一人が現状維持バイアスから脱却する必要があります。

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